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「本音で語り自立」

理事 福島 博志
福島プリント株式会社代表取締役社長

 1930年、国家社会主義ドイツ労働者党(通称「ナチ党」)は、ヴェルサイユ体制や深刻な経済不況と失業に対する国民の不安を利用して勢力を拡大し9月9日に行われた総選挙で1,200万票を獲得して第2党に躍進します。国会議員を除外した貴族中心で組閣されていたドイツ共和国は国民の信頼を得られず強力な指導者待望論が彷彿するところとなります。1932年、当時44歳のアドルフ・ヒトラーが首相に就任します。以降の歴史は書くまでもない惨澹たるものであります。
 翻って、今の日本はどうか。同じように深刻な経済不況と失業等の国民の不満により民主党が政権を奪いました。民主党の結末は見えてはいないが先行きは暗そうであります。
 この二カ国に共通するものは、国民の高い期待により選挙で選ばれた事と、国家の借金が多い、つまり国債の大量発行であります。
 このような事例は歴史上枚挙にいとまがないが、困難に遭遇すると何とかして解決するための強いリーダーを求めるようになります。
 結末が悲劇になるのは、そのリーダーのまわりにいる人達が国家、天下、倫理、道徳などの立派な隠れ蓑の下できれいごとを言って国民の意思をあやつる事に原因があります。
 日本でいうところの失われた20年は、日本社会が本音を言わず、きれいごとばかりにはまったのが大きな原因で、きれいごとを聞きなれると本質を見失い、その本質が見えないと戦略もビジョンもたてられません。
 何故、数百兆円もの国債が累積したのでしょう。収入より支出が多いのです。きれいごとを言って使うお金が多いのです。税収の範囲内で予算をたてるという事をどうして議員さんは言わないのでしょう。そこの所にフタをしておいて消費税を上げるなんて承服できない人が多いと思います。きれいごとを言う人が多いと国家は成長しないし、内需も低迷します。本音を言い合わなければ自立もできないし元気になれません。
 皆様の周りにいませんか?主観をいれないで「国民は、市民は、組合員は、………すべきではないか(そうあらねばならない)」というような正義観溢れる判事のような人が…

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