私たちは、胸に色々なバッジを付けている。
自社のバッジ、印刷営業士のバッジ、商工会議所の議員バッジ、消防団のバッジ、ロータリークラブのバッジ等々…。
地方の印刷会社の経営者は、好むと好まざるに拘わらず各種団体に所属させられる。私も気が付くと、いつしか胸にいくつものバッジを付けている。
最近、ようやく胸のバッジの重みを知ることになった。バッジは単なるバッジではなく、そのバッジを付けることによって、その所属団体の持つ「ステイタス・信用・絆」など全ての信頼と責任を担っていることを…。
先日、網走ロータリークラブの例会に北海道の東半分を管轄するガバナーが訪問された。機械関係の会社を経営されているが、「43年前に初めてイギリスのメーカーと取引をするようになり、3年後イギリスから社長が来日し、食事の席で互いの胸のロータリーバッジを見て堅い握手を求められ、以来今日まで日本で唯一の取引をして頂き、当時4人の会社が今では大きく発展している」と話された。まさに、胸のバッジの持つ重み、「所属団体の信頼と絆の証」であり、人生の出会いの妙である。
また、網走の考古学の大家でモヨロ遺跡を発見した、故米村喜男衛氏が、50年前に海外の学術会議に出かけた時の事。当時は海外旅行が大変な時代だったが、行く先々で胸のロータリーバッジのお蔭で、大変親切にしてもらい無事旅行を終えられたと語っていた。
私も、会合や旅先で互いのバッジが同じ事から、旧知の間柄のように話が弾み親しくさせて頂いた経験が何度かあり、以来どんなときでも必ず胸にはバッジを付けている。勿論バッジを付けることにより、それに恥じない言動と行動とを頭の片隅に置いて。
今、私の願いは、印刷工業組合バッジをいつでも胸に付けて、人生の出会いの妙を楽しむことである。そんな組合にすべく少しでも頑張りたい。
来年の「第29回北海道情報・印刷文化典オホーツク大会」の際には、是非、印刷組合のバッジを胸に付けて皆様をお迎えしたいと考えるこの頃である。