【管理体制(全員参加の推進体制)】 |
〔1〕 経営トップによる省エネルギー体制の構築 |
・エネルギー管理体制を経営者トップの指導で整備する。 |
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エネルギー管理方針の作成と省エネルギー目標の設定をする。 |
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継続的に省エネルギーを進めるために、経営者はリーダーシップを発揮する。 |
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省エネルギーを推進するための役割分担、責任の所在をはっきりさせる。 |
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高効率省エネルギー機器を積極的に取り入れる。 |
〔2〕 全員参加による省エネルギーの推進 |
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目標をたて計画的な省エネルギー対策を推進する。 |
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継続的に省エネルギー活動を進めるためにPDCAサイクル(P計画、D実施、C確認、A処置)を実施する。 |
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エネルギーの無駄やロスに気付いたら、みんなで話し合い、改善する。 |
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不要時の消灯、機械の空運転の防止など、無駄のない職場環境作りを進める。 |
〔3〕 原単位管理によるエネルギー管理 |
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エネルギーの消費実績を把握し、原単位(単位生産量あたりのエネルギー使用量)を管理する。 |
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事業所で月間、年間どれだけの量の電気、ガス、上水を使用しているのか、支払い料金はいくらなのかを知っておく。 |
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電気の使用量について、照明、空調、動力などの内訳を把握する。 |
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エネルギーの使用実態をグラフ化し、変動要因を解析し、話し合い、解決策を考える。 |
【生産機械の省エネルギー】 |
〔1〕 生産計画策定による電力ピーク対策 |
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印刷機、補機などの多電力消費設備は印刷計画書を作成、最大電力を抑制する。 |
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複数台の同時起動はしないよう、段階的に起動する。 |
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計画書作成により、デマンドコントローラを活用し、契約電力を超えない体制を作る。 |
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機械・動力の使用電力を把握し、平準化に効果的なピーク対応システムを組む。 |
〔2〕 印刷機等の補機の不要時停止及び放熱対策 |
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印刷機等の停止中は極力補機を停止する。 |
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印刷機等にはいろいろな補機があるが、主機械、補機の両方から熱が放出される。 |
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補機が室内に設備されている場合、熱の放出が空調負荷の増大につながる。 |
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補機からの放熱対策として、放置位置の変更や放熱ダクトの設置などを検討する。 |
〔3〕 印刷機冷却ポンプ及び排気ファンのインバータ化 |
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ポンプの流量が変動する場合や、バルブで流量を絞っている場合は、インバータ制度を導入する。 |
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必要な流量に応じてポンプ・ファンの回転数を制御するのがインバータ制御方式である。 |
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ポンプ、ファンの電力は、バルブの開閉・開度調整を行っても省エネルギー効果は少ない。 |
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インバータ装置を設置することにより、バルブの開閉、開度調整に応じた量をモータの回転数でコントロールできる。 |
〔4〕 輪転機の乾燥・脱臭用廃熱の再利用 |
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輪転機等の乾燥、脱臭用排ガスから高温の廃熱が放出されている。廃熱を熱交換器に導き、温水を作るシステムを考える。 |
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廃熱の室内放出は空調負荷の増大になる。 |
【照明の省エネルギー】 |
〔1〕 適正照明の維持 |
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職場の状況に合わせて適正照度を決める。 |
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高照度を要する場合は、全般照明と局部照明を組み合わせる。 |
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明るい窓側は昼光を利用して消灯するか、減光する処置をとる。 |
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離籍するときや不要時にはこまめに消灯する。 |
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照明器具、ランプを年に1〜2回清掃する。 |
〔2〕 Hf(高効率)照明の採用 |
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照明器具更新の際には高効率ランプを取り入れる。 |
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Hf蛍光ランプは蛍光灯ランプと比較しても30%以上の明るさがある。 |
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高効率照明器具を採用した場合は、従来の明るさを保つために灯数を減らすか、低ワット数ランプにする。 |
〔3〕 室内壁面の明塗装 |
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壁、天井などを明るい色彩に内装し、快適な職場雰囲気づくりをする。 |
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美的効果も保つため、器具の配置、取り付け方法など室内調和を進める。 |
【空調の省エネルギー】 |
〔1〕 空調設定温度の緩和 |
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冷房温度、暖房温度の適正化に努める。 |
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空調の温度設定は、夏は28℃、冬は20℃が推奨値となっている。温度設定を守る。 |
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冷暖房温度を1℃緩和することで、およそ10%の省エネルギーになる。 |
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始業前や終了時の空調運転時間をなるべく短くする。 |
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場所、時間帯により、メリハリのある温度管理をする。 |
〔2〕 給排気ダクトのフィルタ及びダクト内の清掃 |
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フィルタに詰まりが多くなると、モータに負荷がかかり無駄が多くなる。 |
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空調機の吸い込み口のフィルタやダクト内部は定期的に掃除をする。 |
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吹き出し口にフィルタがある場合もこまめに掃除を実施して、空調の効率運転をする。 |
〔3〕 冷凍機の効率運転 |
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冷凍機の性能を示すCOPは技術が進み、投入エネルギーに対し数倍の出力が得られるが、運転方法が不適切であると、性能は低下する。 |
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夏以外では冷凍機冷水出口温度を上げる。 |
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冷凍機の冷却水温度を下げて効率運転をする。 |
〔4〕 空調の外気利用 |
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冬季、夏季の空調時には取り入れ外気量を必要最低限にする。 |
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中間期(春・秋)の空調時には外気を取り入れ、外気冷房を行う。 |
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冬季は太陽光の日射を取り入れ、夏場の冷房時にはカーテン、ブラインドで日射を遮断、窓の断熱を心がける。 |
〔5〕 空調空間の間仕切 |
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作業エリアと普段使用しない倉庫・書類置き場などのエリアを区分けし、空調を作業エリアに限定する「間仕切り」を設定する。 |
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空調の省エネルギー対策は、季節により冬は太陽光の利用、夏は日射遮断、中間期には外気の利用などが効率的なため積極的に取り入れる。 |
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作業エリアにより必要な場合には、スポットクーリング装置などの局所空調を設置する。 |
〔6〕 二重扉による空調負荷の低減 |
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出入り口の扉を二重扉にして省エネルギーを図る。 |
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二重扉は同時に開かない仕組みにする。 |
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熱気が滞留する場合には局所排気など対策を考える。 |
〔7〕 吸排気口の位置改善 |
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野外の空調用吸気口、排気口を適正に配置する必要がある。 |
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排気口は吸気口と極力離し、排気が吸気口に吸引されないようにする。 |
〔8〕 鉄扉の断熱 |
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外気を遮断している扉、壁、窓など熱伝道が大きい材質であると、空調効果が減少する。 |
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断熱方法として、表面を熱伝導が小さい断熱材で覆うか、窓などには遮光フィルムを貼り付けることで、外気の影響を少なくする方法を考える。 |
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窓や開口部の場所には、ブラインド、カーテンなどを使用することでも効果がある。 |
【コンプレッサの省エネルギー】 |
〔1〕 コンプレッサの吐出圧力低減 |
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設備、装置に合った圧力に設定する。 |
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コンプレッサの圧力を0.1MPa下げると、およそ10%の省エネルギーとなる。 |
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エアー配管が細すぎたり、距離が長かったりすると圧力損失により末端の圧力が下がる。 |
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圧力低下を少なくするため、配管の末端を連結してループ化する。 |
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瞬間的に多量のエアーを使用し圧力低下があるときは、レシーバタンクを設置して圧力変動を少なくする。 |
〔2〕 エアー漏れの防止 |
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高圧エアーはほんの少しの穴からでも、多量の漏れが発生するので、漏れを徹底防止する。 |
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エアー漏れが30%以上になることもあり大きな電力損失になる。 |
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配管末端のバルブからの漏れも電力損失となる。音を感知したら防止策を取る。 |
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コンプレッサを停止した場合、圧力が急激に低下したり、起動時の圧力に手間がかかるような時は漏れの影響が考えられる。 |
〔3〕 コンプレッサの吸気温度の低減 |
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コンプレッサの吸気温度は消費電力に大きく影響する。10℃上昇するとおよそ3%余計に動力がかかる。 |
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清浄な冷気吸引ができるよう周辺の雰囲気を確認する。 |
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必要であれば吸気ダクトを設置する。 |
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コンプレッサは起動中熱を発生する。熱気がこもらないような場所を選ぶ。 |
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作業エリアにより必要な場合は、スポットクーリング装置などの局所空調を設置する。 |
【受変電設備の省エネルギー】 |
〔1〕 負荷の平準化 |
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負荷の平準化を行い、最大電力を抑制する。 |
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電気料金は、基本料金と電力量料金を合わせたものである。 |
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基本料金を低減するには最大電力を抑制することが必要である。 |
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複数台の同時起動はしないよう段階的に起動する。 |
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デマンドコントローラを活用し、契約電力を超えない体制づくりを進める。 |
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夜間電力の利用(蓄熱式ヒートポンプ)で、安価な夜間電力を活用する。 |
〔2〕 不要変圧器の停止 |
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使用していない変圧器は電源を遮断する。 |
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軽負荷変圧器を集合化し、使用しない変圧器は切り離して損失を低減する。 |
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変圧器の更新時には、高効率変圧器を採用する。 |
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力率改善のため、進相コンデンサを増設する。 |
〔3〕 デマンドコントローラの設置 |
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デマンドコントローラは、使用電力量を予測し目標を超えないよう負荷の低減、遮断を知らせる装置である。 |
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デマンドコントローラを設置し、使用量の平準化と基本料金を低減する。 |
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デマンドコントローラによって、時刻別電力使用量を知ることができ、エネルギー管理に役立つ。 |