印刷燦燦
「釣り×短気」

理事 加藤  景
幡本印刷株式会社代表取締役社長

 釣りが好きで小学生から豊平川に通っていた。
 前夜からイカゴロの餌(釣り人から教えてもらった)の準備をし、早朝に備えた。
 まだ暗いうちから自転車に竿や道具をセットし、ポイントの場所までワクワクしながら自転車を走らせた。ワクワク感と若かったせいもあり、自転車こぎは一切苦にならなかった。
 そして、いつものポイントに到着。
 大物が釣れるであろうと期待に胸を膨らませ、竿を出し、仕掛けを準備する。
 以前は魚影が濃いせいもあったが、とにかく特製の「イカゴロ餌」が効果を発揮する。
 釣れる魚は「ウグイ、川ガレイ、たまに川カニ」
 そのころは、何が釣れても楽しかった。
 釣りというと「良くあんな気長に糸をたらして釣れるまでじっと待っていられるね」という事をよく言われる。
 確かにじっと待つ事もあるが、どちらかというと常に動いている事の方が多い。
 その日の天候、川の流れに合わせ、餌を変え、仕掛けを変え、アクションを加えたりと。
 そう考えると、短気というか釣りは結構落ち着きがないものである。
 小学生のころは川釣り、海釣りを主にやっていたが、今は渓流釣り、湖が多い。
 竿や仕掛け、餌も擬似餌に変わりルアーや毛鉤に変わる。
 釣りの仕方も、じっと待っていると釣れなく、常に変化を加えなければならない。
 また、魚がかかった瞬間に「合わせ」といって針が外れないように竿を立てる。
 魚も利口なので銜えた瞬間に餌ではない!と判断したらすぐに吐き出してしまうから合わせが必要になる。早すぎてもダメ、遅すぎてもダメでこの絶妙なタイミングと駆引きで魚が掛かるとテンションが上がる。
 だから釣りは、気長でじっと待つタイプの人には向いていないかもしれない。
 いっさい釣れない日もある…。
 そんな時はお湯を沸かしコーヒーを落とし、大自然を眺めながらひと息。
 「釣り」は釣れて最高、釣れなくても別の楽しみ方がある。
 ちなみに私はかなりのせっかちで短気である。

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