わが社のワンストップサービスづくりと実践
第2回経営者研修会開催
 平成21年度第2回経営者研修会が、1月8日午後2時30分から札幌市中央区の札幌グランドホテルで、「わが社のワンストップサービスづくりと実践」をテーマに、(株)ビジネスコミュニケーション研究所代表取締役の田中信一氏を講師に迎え、70余名が参加して開催された。

 研修会は、最初にワンストップサービスの概念について総合化(統合化)と専門化(特化)のタイプがあり、総合化(統合化)は、お客様に対して印刷以外に間口を広げ(対応分野の拡大・追加)、印刷物の物的価値(価格)のウエイトを意図的かつ相対的に低下させ価格競争を合理的に回避する戦略で、印刷物を我々が提供する全部ではなく一部にしてしまうこと。専門化(特化)は、特定の分野に的を絞って徹底的に専門性を高めることで同業他社が追随できないレベルまでコストを下げるか、逆に付加価値化(希少価値)を高める戦略とした。
 さらに、ワンストップサービスには、ワンストップサービス・ソリューションマップを使い、水平ワンストップサービス(川上型)、水平ワンストップサービス(川下型)、垂直ワンストップサービス(深耕型)の3つの基本的方向があるとし、どの方向を選ぶかは各社の自由だが、3つの方向にまんべんなく取り組むことはできないとした。
 川上型は顧客のビジネスに役立つ印刷物(周辺サービスを含む)を「考えて、作る」ことの支援を目指し、印刷の上流、プリプレス、クリエイティブ、セールスプロモーション、マーケティングと川上へ事業領域を拡大する。川下型は印刷物を作り、使う場面までの全体を顧客になり代わり支援し、印刷の下流、ポストプレス、フルフィルメント保管業務・アセンブリ、ロジスティクス物流、分析・効果、測定など川下への事業領域を拡大する。深耕型は得意分野(および関連分野)を高度に専門化し他社の追随を振り切り、文字通りこれまでの強み(プリプレス・プレス・ポストプレス)の技術的・製品的・業界的・用途など優位性を確立し受注を集中させるビジネスモデルとした。
 わが社に合ったワンストップサービスの選び方には3つの視点があるとして、1つは顧客視点でお客様のソリューション(困りごと解決)を考える。2つは競合視点でライバルとの明確な違いや時代の先駆けで考える。3つは自社視点でわが社の強み(コアコンピタンス)を活かす。
 この3つをさらに[1]今、わが社はできていないがお客様のニーズは高い、[2]今、他社(他業種)が対応しているが満足度が低い、[3]これから主流になる、[4]ライバル社にとっても(わが社にとっても)面倒だ、[5]わが社の得意、儲かること、[6]今はできていないがやりたいの6つに細分して、川上型、川下型、深耕型に落とし込んで行くと自社のワンストップサービスの方向性を見い出せるとした。

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