中小企業金融円滑化法が施行
 銀行や信用金庫、信用組合などの金融機関が中小・零細企業や住宅ローンを抱える個人の借り手の要請を受け、返済猶予や金利減免、返済期間の延長などに応じる努力義務を課す「中小企業金融円滑化法(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律)」が11月30日に成立し、12月4日に施行された。

I .法案の概要
金融機関の努力義務
  金融機関は、中小企業者または住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める。
(注)対象となる金融機関は、銀行・信金・信組・労金・農協・漁協およびその連合会、農林中金。
 
  金融機関は、申込みまたは求めがあった場合には、他の金融機関、政府関係金融機関、信用保証協会、企業再生支援機構、事業再生ADR、中小企業再生支援協議会等との連携を図りつつ、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置等をとるよう努める。
 
金融機関自らの取組み  
  金融機関に、貸付条件の変更等の措置を適正かつ円滑に行うことができるよう、必要な体制の整備を義務付ける。(詳細は、省令、検査マニュアル、監督指針において規定。)  
  金融機関に、貸付条件の変更等の実施状況および本法律に基づき整備した体制等を開示するよう義務付ける。  
行政上の対応  
  金融機関に貸付条件の変更等の実施状況を当局に報告するよう義務付ける。  
  行政庁は、これを取りまとめ公表する。  
更なる支援措置  
  政府は、中小企業者に対する信用保証制度の充実等、必要な措置を講じるものとする。  
その地  
  法案は、平成23年3月までの時限措置とする。  
       
II .検査・監督上の措置  
○行政庁は、法案の実効性を確保するために、次のような措置を講じる。
  法律の施行に併せて、検査マニュアル、監督指針について所要の改定を行う。
 
  顧客からの条件変更等の申出に対応するための態勢整備
 
  条件変更等を行っても、不良債権に該当しない要件(従来に比べて拡充)
 
  中小企業融資・経営改善支援への取組み状況について、重点的に検査・監督を行う。  
       
III .その他の措置
  政府関係金融機関等についても、本法の趣旨を踏まえ、貸付条件の変更等に柔軟に対応するよう努めることを要請する。  

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