印刷燦燦
「歴史は繰り返す」

理事 植平 有治
植平印刷株式会社代表取締役

 歴史は繰り返すとよく言われる。
 我が印刷業界も全印工連の提唱している“業態変革推進プラン”は素晴らしいプランだと私は考えている。
 そして実行できるかできないかも経営者次第であると自覚しているつもりである。
 ある時本棚を整理していると、昔のアルバムの中の一冊に新聞の切り抜き記事が丁寧にスクラップされているのがあった。
 それは昭和45年5月30日の毎日新聞に載っていた記事で、要約すると“体質強化めざし合併、旭川と名寄の印刷6社”という大見出しで“大部分が零細企業からなりたっている旭川の印刷業者5社と名寄の1社の合計6社が合理化合併に踏切り企業の体質を強化しようと近く政府系資金を借受け印刷工場を建設する計画を進めている。実践すれば、道北では最大規模の印刷工場となる。国の構造改善業種に指定される見通しなのでこれからのきびしい競争時代を乗り切るには大同合併がぜひ必要と、6社首脳は意欲満々、6社もの合併は全国的にも珍しいだけにその成り行きが注目されている”とある。
 その2年前の昭和43年4月18日の北海タイムスには“旭川の印刷業界企業診断がまとまる”という大見出しで、業界の企業診断を道および道商工指導センターに依頼した報告が載っている。その中の“経営に関する事項”に“[1]営業の特色化とそのための技術向上対策[2]価格面のみ受注競争に勝つとしても永続性は期待できないし経営改善にも役立たない、技術の優秀さで競争し、受注生産型から需要創造型への積極的営業政策の転換[3]官公庁に対しては市内業者に発注するよう要請し、業界もグループ別に受け入れ態勢を整備する必要がある”と述べている。
 今から約40年前、高度成長に入った頃の記事である。
 私の父が後々同じ様な事が起こると思ったかどうか分らないが参考になればと思っていたかも知れない。
 今、正に“歴史は繰り返す”という言葉があてはまる時だ。
 先人達と時代背景は異なっていても、本質的には何ら変わらない、いつの時代も変化を読みとって、変革して行くしか道はないものだと考えている。


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