全印工連フォーラム2009開催
マイケル・メイキンPIA会長が講演
 全印工連フォーラム2009が、10月9日午後2時から東京ビックサイトで、講師にアメリカ印刷工業会(PIA)会長のマイケル・メイキン氏を招き、「金融危機後の米国印刷産業の動向と新たな挑戦」をテーマに500余人が参加して開催された。

 フォーラムは、最初に水上光啓全印工連会長があいさつに立ち、「米国の印刷業界団体トップ自らが米国の印刷業界について語る貴重な機会であるので、参加された経営者の方は、ぜひ経営に生かしてほしい」と述べた。
 続いてマイケル・メイキン会長を、聴衆の盛大な拍手で迎えた。
 メイキン会長は、日本と米国の印刷業界は同じ課題を抱えているとし、アメリカの金融危機の状況と、不況下でのチャンスについて話した。
 米国印刷業界の雇用は2000年、売上高は2007年をピークに減少に転じており、2007年の金融危機に端を発する不況で大きな打撃を受けた。米国の印刷業界は2010年から非常にゆっくりしたペースで回復を始めるが、その後3〜5年間は、米国経済全体の成長率(2011年から2014年で2.5%〜3.0%の成長見込み)を下回るペースで回復し、過去ほどのV字回復は望めないのではないかとの予測を示した。
 最近の米国印刷市場の動向について、印刷業界は伝統的に米国経済の変化に同調する傾向があるが、今回の不況では米国経済には回復の兆しがみられるものの、印刷業界にはまだ回復の傾向がみられないことを指摘した。しかし、今回の不況で出荷額が大きく減少したのは従来型の印刷であり、デジタル印刷や印刷付帯サービスの落ち込み幅は小さいことも示した。
 今後の印刷業界の見通しについて、2014年の時点でも従来型印刷は依然大きな比率を占めるもののデジタル印刷と付帯サービスが成長していく見込みであり、不況回復後の米国印刷業界においては、マルチプロセス・ワンストップで各種の印刷市場セグメントに特化した「マーケティング・サービス・プロバイダー」が生き残って行くとした。

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