平成21年度第1回経営者研修会
「業態変革実践プラン〜特化と多様化〜」
 全日本印刷工業組合連合会 会長 水 上 光 啓 氏
 平成21年度第1回経営者研修会が、6月12日午後1時から札幌市中央区の札幌パークホテルで全日本印刷工業組合連合会の水上光啓会長を講師に迎え、「業態変革実践プラン〜特化と多様化〜」をテーマに80余人が参加して開催された。
 以下、講演の内容の抜粋を紹介する。
(文責:編集部)

組合は、「連帯」「対外窓口」「共済」
水上 光啓氏
 北海道の皆さん1年振りです。1年経って印刷組合をどうやって運営するのか、そして業態変革とは何かを1時間話をしたいと思う。1年前にここに来た時には会長に就任した直後でハラハラドキドキしていた。1年組合をやってみていろいろなことに気が付いた。時間のある限り機関銃のように話をしたいと思う。まず皆さんは組合は何だと思うか。私はこう思う。昨年就任する時に組合の基本的機能は連帯、対外窓口、共済の3つが重要であると思った。丁度1年前の昨年の5月を想像してみてほしい。昨年の春先から古紙偽装問題で揺れていて解決出来なかった。5月頃は原油をはじめとする原材料が高騰して印刷の紙をはじめ諸資材の高騰で非常に厳しい対応に追われた。そんな中で会長に就任し、先行きどうなるのか、さらに追い討ちが来た。9月のリーマンショックである。改めてそれからほぼ1年経つと組合の連帯という機能がどれだけ大切かと思っている。もし組合がなかったらどうか。今日も金曜日の忙しい日にこれだけの人が北海道の各地から来ている。北海道は大きくてここへ来るまで6時間掛かる人がいる。6時間だと東京からハワイに行ってしまう。そのくらい時間を掛けて真剣に勉強しようとしている。連帯が一番重要だと思う。もし組合がなかったら自分1人で今印刷業が出来るだろうか。私自身も自分自身に問いかけてみると大変不安である。これだけの仲間が居てはじめて自分の立ち位置が分かる。ますますこれから先行きの見えない社会の中で連帯ということが非常に大切であるし、組合の果たす役割は非常に大きいと思う。
組合のメリットは参加すること
 印刷業界も社会から求められることが随分変わって来た。少し前までは綺麗な印刷物を作っていれば取り敢えずお客さんにありがとうと言われた。綺麗な印刷物を作っているだけではお客さんは満足してくれない時代になった。昨年会長に就任した時は認識はなかったが、これからは環境問題、情報セキュリティの問題、コンプライアンス、知財権、メディアユニバーサルデザインなどいろいろなことが必要になって来ると思う。これはもはや1機械メーカーや1材料メーカー、1紙メーカーだけでは解決出来ることではない。印刷産業が社会から従来ないことが求められている。それに対応出来るのは組合だと思っている。1年間経ってみると、会長になる前と手の平を返している。情報は物凄く出ている。これを是非活用してほしい。今日は定時運行するので最初から結論を言っておく。先ず皆さん食べてください。今日も食べに来てくれたわけである。参加してください。全部美味しくない時もあるので御免なさい。最初から謝っておく。たまに不味い時もある。不味い時は不味いと言ってほしい。できるだけ美味しい素晴らしい情報を流すように努力して行く。それが役目であるのでこれからも是非出てほしい。今組合は大きな2本の複線で新しい方向性を定めようと思っている。業態変革、ワンストップサービスで収益拡大をと言って来た。まだ難しいと言う人もたくさんいる。ワンストップサービス、より木目細かい業態変革実践プランを片方のレールでは提案し続けて行きたいと思う。
会社の使命は永続性
 もう1つ重要なことは、こうやって今日たくさんの経営者の皆さんと話をする機会があるが、会社の最大の役割は何か。改めて振り返ってそのことを考えてもいいのではないか。私は最大の会社の使命は永続性であると思う。それは当たり前だと言うかもしれない。逆の人もいる。俺のところは子どもが継がないから永続性なんかないと言う。私はそうではないと思う。仮に後継ぎがあろうがなかろうが明日も会社をやる限り企業として経営者として永続性という責任がある。私は何時も人数が多くても少なくても関係ないと言うが、1人でも社員が居れば企業の社会的責任がある。これを果さなければならない。組合は個々の企業が永続するサポートをする。サポートをする情報を流して行く。お手伝いをする。それが組合の役割ではないかと思っている。そうすると直ぐ何か手がないか。これが業態変革実践プランである。組合がサポートする中で必要なことは我々の次世代が頑張ってみようという業界を作る役割も大変重要だと思う。今年から線を2本にし複線にした。両方やって行きたいと思う。直ぐ良い結果を教えてほしいという意見もある。それは無理である。あったら私がやる。結論から言うとゴールは自分で探してほしい。そのロードマップは組合が提供するという機能である。全印工連は6,450社ある。もしもゴールをこちらが示すことが出来たら、多分ゴールは殆ど1つになってしまう。ゴールが1つになったら一部大手だけで業界は必要ないと思う。6,450社のゴールが1つ1つ違うから私たちは中小企業で生き残れるのではないか。それはアメリカでも同じである。ロードマップを提供するので、それを活用してもらうことによってそれぞれが6,450通りのまさに今日のテーマにある多様性だと思う。中小企業として生き残るにはゴールに多様性がないと生き残れないと思っている。でも未だ直ぐ教えてくれと言うが、そんな良い手はない。明日突然売上を10%増やす。こんな手があるわけがない。
「収益拡大−コストダウン実践プラン」
 でも1つだけある。売上は増やせないが、経費を10%節減したらどうか。同じである。会社は年齢を重ねるごとに機会費用という本来必要でなかった費用が嵩むのも事実である。学生時代は四畳半1間で十分であった。今、四畳半1間で足りるか。足りなくなった。それを機会費用とは言わないが、お金は大切にする。当たり前である。印刷会社は不思議である。自社がそうであるから皆さんに敢えて言う。在庫は無駄である。お金が寝ているのに意外と、在庫こんなもの作って駄目でないか、捨てておけということが当たり前である。お金を溝に捨てている。我々はそういうことをやっている。全印工連では「収益拡大―コストダウン実践プラン」を作っている。これは優れ物である。皆さんはやっているとは思うが、実際に会社の中の何処に無駄があるのかを7keysという7つのkeyで分析をする。当然どこの会社もスーパーマンでないので完璧には出来ない。これを7つの項目で分析してみてグラフに入れてみる。自社が真剣にコストダウンに取り組んでいるもの、取り組んでいないものの差が出てくる。そこからは自分で考えろと言いたかったが組合はサービス精神が旺盛で全部ゴールまで作っている。何処が弱いかというと、弱い項目に何をしたら良いか具体策を全部書いてある。やることも書いておいた。その中から自分でやるべきことをピックアップして、さらにどの項目にどの対策をするかを書いて、さらに私も若干血圧が高いので血圧をつけろと血圧手帳を貰って毎日書いている。毎日というのは会社は大変であるので毎月、そのプランを実行したかしないかを付ける。血圧手帳だって付けるのだから会社もっと大事であるのでこれを付けたらどうか。そこまで実行するように木目細かく作っている。今すぐ利益を出そうと思ったらこれがベストだと思う。是非活用してほしいと思う。
メディアユニバールデザイン
 少し回り道をするが組合は今メディアユニバールデザインに真剣に取り組んでいる。社会にはハンデキャップを持った人がたくさんいるし、私も既にハンデキャップを持っている。大きな字でないと読めない。高齢者もハンデキャップを持っている。今まではハンデキャップを持った人が社会に合わせていた。社会に優しい産業であるということは主語が逆である。私たちがハンデキャップのある人達に合わせて行かなければならない。私たちの産業は文字と色のプロである。全印工連では「メディアユニバーサルデザインガイドブック」という素晴らしいものを作ったので活用してほしい。ただ印刷をするのではなく、そこに付加価値を上げるのであれば、文字と色についてハンデキャップの持った人に対して少し一味つける。こんなことが付加価値の積み重ねと思う。ただ見逃さないで自社のビジネスになると思うので活用してほしい。
業態変革推進プラン
 今日の本題であるが、業態変革である。5年間実行してきた。6年目に入った。やっと言葉が皆さんの中に定着したのか、定着しないのかという段階かも知れない。実際にはそれを実行している企業もあるし、実行している企業は大きく成果を上げているのも私は目の当たりにして来た。決して業態変革は難しいことはないと思う。今までの経験したことのない社会の中で同じように会社を運営することは不可能だということは皆さん分かっている。そうであれば変えて行こう。それだけのことである。組合はいろいろなことを考えて、印刷業はどう変革したら良いか書いて来た。過去4年間続けてきた業態変革推進プランである。過去4年間で3つのステージを出して来た。5年前から始めたが5年前は凄かった。第1ステージ業態変革ミニマム、先ずパソコンから始めようであった。それから見ると業界全体随分進んで来たと思う。第2ステージ原点回帰、変革をするためには自社の原点をきちんと見極めよう。原点というのは自社の強み弱みをきちんと見よう。原点回帰のための7keysを作った。これもたまに振り返ってもらえれば、時代の変化、変革の波の中で自社の強み弱みが大きく変わっている。私も時々思い出したようにやってみるとこんなに変わるのだと思うように変わる。問題はそこからである。自社の原点回帰をしてみて、ここからが経営者の判断である。強みを活かして行くのか弱みを補完して行くのか。是非考えてほしい。さらに第3ステージで方向性を示した。ワンストップサービスで収益拡大へということでワンストップサービスをするために自社の何処が足りないのかをまとめた。これが過去4年間進めてきた業態変革推進プランである。迷った時、変革をする時、原点を見詰めるにはこれを見てほしい。
ワンストップサービスは簡単
 昨年から1年間やって来たのが、さらに木目細かくした業態変革実践プランである。実践するにはどうすれば良いか。なかなか実践は大変である。大変にはいつも言うが2つある。本を読まないで大変と思わないでほしい。本を読んでから大変だと思ってほしい。読むのは皆さんである。是非読んでほしい。この中にも大変なエッセンスが詰まっている。皆さんに何らかのヒントになると思う。最初の序章の方は私が今日話をするように、なぜ業態変革が必要かということを皆さんに繰り返し話をさせてもらっている。真ん中位からワンストップワービスをするためにどうやってワンストップサービスをやるか。ワンストップワービスのためのマップを作ってそれを活用したらどうか。印刷をコアにして領域拡大をするための手順が書いてある。最後には実際にワンストップサービスを成し遂げたいろいろな会社の事例が書いてある。その事例を見てほしい。これでも難しいという人がいる。私は難しくないと言いたい。北海道ではこの話は初めてである。ワンストップサービスは簡単である。昨年の暮に千葉県の理事長と話をしていたらワンストップサービスは簡単だと言う。千葉県の年賀状をやっている印刷会社が従来だと秋になると入口に「年賀状承ります」という案内を出していた。奥さんと2人で考えて今年から少し変えよう、ワンストップサービスをしようということで「年賀状と宛名書承ります」と書いた。正にとがト金になった。それを出した時に初めて注文に来た人から宛名もお願いしますと言われた。その時に奥さんとまだ宛名書の値段を決めていなかった。年賀状は100枚で4,000円、奥さんと顔を見詰め合いながら10,000円でどうかと言ったら、お客さんが「えっ」と言った。「えっ」というのは高いか安いかである。そんな安くていいのかと言う。100枚印刷すれば4,000円であった年賀状が、宛名書はパソコン入力すると出来る。それが14,000円に化けた。今年の暮にもう一度注文に来てくれたら100件のうち10件くらい変えたら出来てしまう。丸儲けではないか。ワンストップワービスはこんなことだと思う。皆さんの周りにいくらでもあると思う。
お客さんの悩み
 営業が毎日お客さんのところに行く。御用聞き営業はどちらかというと後ろ向きに捉えられているかも知れないが、私は決してそうではないと思う。御用聞き営業は素晴らしいと思う。毎日お客さんの懐の中に入って行ける。こんな素晴らしい営業はないと思う。ただそこは一歩深めなければならないのは皆さん重々承知している。ただ単に毎日、今日は毎度、仕事お願いします、ありませんかでは、社会全部が今シュリンクしている。残念だが我々のお客さんもシュリンクしている。営業もシュリンクすれば従来あった付加価値を得ることは出来なくなるから、お客さんが悩んでいることを一歩ずつ広げたらどうか。何故なら我々が一番お客さんの悩みが見えている。それを手伝わない手はない。これがワンストップサービスの始めだと思う。全てこれが結論である。結論は本を読んでください。読んで悩みがあったら質問用紙も付いているので全印工連にFAXを送ってください。いつでもお答えしようと思う。大変なのは皆一緒なので先ず読もう。
経営者が一番働き者になる
 これから出来ることは差別化である。差別化は経営者が勉強しなければ出来ない。断言しても良いと思う。従来と同じように同じ立ち位置に立つことは不可能であり、有り得ない。勉強しなければ無理である。社会が高加速で変化していて、私が立っているのは砂の上に立っているようなものである。自分はこの立ち位置にずうっと捕まっていたくても流されてしまう。だから現状維持というのは有り得ない。本気でやるには経営者が一番働き者でなければこれは有り得ないと思う。経営者として当たり前である。そういう覚悟をして皆さん経営者をしている。正に皆一緒に原点回帰しようではないか。そうしてやれば十分印刷というのは大きい産業である。数値をあげて恐縮だが新聞は2兆円産業、テレビも2兆円産業、出版も2兆円産業、その中で印刷は6兆円産業である。大きい産業である。きちんと社会の変化を見極めて需要を創造して行けるのではないかと思っている。足元はくどいが本を読んでほしい。
ナビゲーターとロードマップ
 今日は折角全道の皆さんと会ったので、直ぐにやること、少し将来にわたることをごちゃ混ぜにするがこのあと時間まで話をさせてもらう。先月、アメリカへ行って、PIAという組織に行って来た。これは全印工連と限りなく近い組織である。全印工連は6,450社、PIAはひと回り大きくて10,000社、1社あたりの人数は非常に似ている。全印工連の平均は1社あたり20人である。アメリカは26.7人と聞いて来た。変わらない。我々の3〜5年先のイメージがアメリカの印刷産業と日本から見ると思う。アメリカでも中小企業で生き残っている。アメリカに行くと非常に心強く感じている。皆さんやり方がある。十分行けると思う。PIAはシンプルである。PIAの役割は何かと尋ねるとナビゲーターであると言う。全印工連ではロードマップを提供すると言って来た。この本がロードマップである。是非使ってほしい。提供するロードマップを使うのは皆さんである。昔のように護送船団として大きなバスに乗ってゴールへ連れて行ってくれる。そんなバスは残念ながら社会の変化でとっくに無くなってしまった。あくまでも主役は皆さんである。皆さんがマイカーに、皆さんの責任でガソリンを入れて、皆さんがロードマップを活用して自分で運転して、たまには原点回帰、バックミラーを見て方向が間違っていれば正しい方向に会社を戻す。我々はそのためのロードマップを提供することが大きな役割だと思っている。アメリカも同じである。ナビゲーターである。ゴールは自分で入れなければナビゲーターは絶対に進まない。組合の機能は同じだと思った。1年間会長をして分かった。日本は飽きっぽい。業態変革を進めて来たが、会長、もう業態変革推進プラン、実践プランではもたない、ワンストップサービスではもたない。新しい言葉出してほしいと言われる。何か新しい言葉を出さなければならないかと思っていた。
印刷の生き残る道
 ところがアメリカに行ったらマイケル・マーキンというトップがいるが2001年に就任してから今までずっと印刷付帯サービスという言葉を言い続けている。我々は決してそれを真似した訳でないが、私たちはワンストップサービスで収益拡大を、アメリカは印刷付帯サービスで収益拡大をである。どっちが英語でどっちが日本語か可笑しいが、印刷付帯サービスはコアの印刷をやれば1j、周りの付帯サービスをやると6〜8jの印刷があるからそれをやれば印刷はどんどん拡大出来る。これも限りなく全印工連と近い。余談であるがアメリカも厳しい。私は1年半前にもアメリカに行っているので2回目である。今度行ったらマイケル・マーキン会長の元気がない。1年半前に行った時アメリカのトップは元気があって格好良い。なぜ同じトップでもこんなに違うのかと思うくらい格好が良い。その格好良いトップがげっそりしている。何故か。今日2人リストラをする。アメリカの組合も厳しい。これが現状である。そのマイケル・マーキン会長に最後に質問をした。あなたはこれからも印刷付帯サービスを言い続けて実行して行くのかと質問したら、唯一私が分かった英語Absolutery、絶対に100%言い続ける。それが印刷の生き残る道である。
印刷産業は500年の歴史
 印刷は領域が広い。地方に行くと中にはこう言う人がいる。会長、何言っているのか。俺らはもう印刷付帯サービスをやっている。やっていたら深めようではないか。もっともっと領域はある。サービスとは何か。サービスという言葉の本質は人の面倒くさいことをやることがサービスである。お客さんの永遠に面倒くさいことは1ヵ月経てば変わる。サービスには2つの意味がある。無形性と同時性がある。無形性、サービスに形はない。今ワンストップサービスをやっている。大いに結構である。深めて行けば良い。やっている会社はまだまだやりようがある。同時性というのは在庫を持たないということである。コストダウンの面でも考える。これがサービスの本質ではないかと思う。そうやってワンストップサービスを是非実行してほしいと思う。そうは言うが厳しい。どれくらい厳しいかというデータは何を見れば良いかというと、インキの統計を見るとインキの統計は悪くない。何故悪くないかというとインキは輸出が結構ある。インキの統計から見ると実態が見られないので、日本の印刷業の現状を見るのにはPS版の統計を見るのが一番正しいのではないかと思う。紙も結構増えているので見難い。紙の場合在庫などいろいろな問題がある。PS版を見ると3月期に初めて対前年2桁近くの減少があったとPS版メーカーが言っていた。今まで減ったことがないそうである。自分の会社を振り返ってみると過去に社会の景気が悪いという時に結構PS版の数が増える。お客さんの注文のロットが細かくなるからPS版の数が増えて、景気が悪いのかと勘違いする時がある。これは印刷業のかつては良い所であった。しかし、今はかつてと同じことが出来ない。残念ながら10%減っている。相変わらず今も続いていると聞いている。これが印刷の一番今のリアルな現状ではないかと思う。よく100年に1度の危機だと言われている。しかし、我々この中で誰も100年生きたことがないので100年に1度の危機と言っても分からない。ただ印刷は500年という時間を経過した産業であるのでそれを100年で割ってみると過去5回も経験して来ている。政府が強いと言っている自動車産業は100年に満たない産業だから初めてこういう不況を経験した。だから非常に今回のダメージが大きいと言われている。アメリカもこんなことを経験したことがない。1929年に大恐慌があってその時に一度経験したが、それ以来原則として右肩上がりでアメリカの経済は来た。だから皆びっくりしている。したがって日本の方が強いのではないか。そう思いたい。我々が生きて来たずっと先輩の江戸時代もそのようである。江戸時代は華やかな元禄文化が喧伝されるが江戸時代は飢饉が続いたり、特に江戸時代の後半は低成長が続いたり、人口も減少したそうである。それでも結構楽しく江戸時代は暮らしていたようである。社会が低成長の中でも対応出来るような社会を作っていたし、落語をみると江戸時代の落語に質屋さんがある。正にリサイクルが江戸時代にもう我々のずっと先輩はやって来たのだから、少しは我々も出来るだろうくらいに思って行きたい。残念だがもはやかつての右肩上がりの社会には戻らないと私も思う。そこに戻ってくれたら良いと私も心から思うが、思っても出来ないことを願うよりもきちんと現状認識をして今出来ることをやらなければばらないと思う。
未知の社会
 これからどういう社会が来るだろうか。皆さんも私も考えることは同じだと思う。正に従来経験したことがない未知の社会である。未知の社会とはどういう社会かというと私たちは今までは全て経験に基づいて仕事が出来た。例えば人口増加ということをベースに仕事をやれば黙っていても仕事は増えた。人口が減少していく社会に入る。どのくらい減少するかというと数値だけ見ると恐ろしい。2004年に日本の人口がピークを迎えた時に1億2,800万人位であったと思う。90年後の2100年は6,500万人、正に半減する。私たちは良いが、次世代は半減した社会の中で単純に印刷物も半減する。そういう社会の中で産業をどうやって行くかを真剣に考えなければならない。これから未知の社会というのは従来の考え方が通用しない社会である。100年は先の話なので置いておくことにしても今はどうか。今も従来の考えが通用しなくなった。従来の考えというのは過去をベースに現在を考えて行けば出来た。過去はこんな経験値があったからこんなことをやれば仕事は何とか行く。それが今までであった。未知の社会というのは現在をベースにして未来を考えて行かなければならない。これが未知の社会である。これは大変な社会である。格好よく未知の社会を楽しみましょうと言葉で言うが、楽しめない。未知の社会の中で印刷の方向性はどうなって行くのか。
情報を伝える印刷
 全印工連としても3年後、5年後のビジョンを出すように努力するが、是非一緒に勉強しよう。皆さんとイコールパートナーであるので是非一緒に勉強して何か問題点があったり、何か気付いたり、何かアドバイスがあったら何時でも投げ掛けてほしい。一緒に勉強したいと思っている。印刷の変化を私たちもたまには印刷をストレートに見てみないか。正面から印刷を見てみると自分の会社の印刷が将来残るのだろうか、無くなるのだろうか。こういうことも正面切って考える必要があると思う。印刷はこんな分け方があると思う。情報を伝える印刷、文化を伝える印刷。大きな区分けがあると思う。今は情報を伝える印刷が一般的には7割位になったと言われている。情報を伝える印刷のキーワードはスピードと正確性だと思う。スピードだけを追ったのでは新しいメディアに敵わない。堪えずここは考えなくてはならない。いろいろな世代間の交代はあるが今私たちのような団塊世代がだんだん社会を卒業しつつある。紙に親和性がある世代である。それが卒業して私たちの子どもは団塊の世代の子どもであるので団塊の世代ジュニアと言いたいが、そういう言葉がない。私たちの子どもは新人類と言われている。親子の間でコミュニケーションが通じなくなった。そういう新人類が社会の中心になっている。我々の子供、新人類は我々が育った頃とは違う。物心付いた時にはゲームがあり、ビデオがあり、そういう世代にとってどういうメディアが良いのか。まだ我々の子供の世代は親子の繋がりはあるから、紙の親和性があると信じているが、この次が困る。新人類の子供だから敢えて新人類ジュニアという。我々にとって孫の世代である。根本的に生まれて育った時からパソコン、携帯で育っているから非常に印刷メディア以外の親和性が高い。新人類ジュニアという孫の世代でも紙は重要である。お母さんが子供に絵本を読んで、これが親子の繋がりだから印刷はなくなるわけではないが、彼らにとってのメディアの中心は決して印刷ではなくなる。ネットであり携帯であり、特に日本では独自の文化としての携帯に対する移行も大きいと思う。この事実は認識をしなければならない。どちらのメディアを選ぶか。紙にするか携帯にするかパソコンにするか。選ぶのは私たちではない。その世代が選ぶわけで、何を基準に選ぶか。自分にとってどちらが都合が良いかである。あくまでに選ぶ本人で、我々は残念であるが選べない。自社の印刷物が本当に情報を伝える印刷物が多いか、スピードだけでなく正確性も需要である。新聞が厳しいと言っているがプラスに捉えた方がいい。何百万部という新聞が朝一斉に送られて一斉に皆が読むというこの情報伝達力は厳しいといってもこの正確性は大切である。テレビやネットでは見られない正確性というのは重要である。印刷にとっても正確性というキーワードは非常に大切だと思う。情報を伝える印刷をざっくり言うとこんなイメージだと思う。
文化を伝える印刷
 もう1つは文化を伝える印刷。ちょっと格好良いがこれはいわゆる感性、人の心、五感を形にする印刷物だと思う。この印刷物というのはこれからますます印刷が負う価値観になる。これもざっくりと話をすればチョコレートの箱を作る。中身のチョコレートを本当に美味しく見せるお手伝いを我々はやって来ただろうか。与えられた箱を作るという使命だけを果す。印刷をするだけではなく、私たちが是非1歩お客さんに入ってお客さんのお手伝いした会社が生き残って行くだろうと思う。100円のチョコレートの箱の価値観、1粒1,000円のチョコレートの価値観を伝えるためのパッケージがある。最初の情報を伝えるどちらかという実用的な価値、そして印刷業がこれから目指さなくてはならないのはエンドユーザーの心に響くような価値観、感性価値、いろいろな価値がある。是非この感性価値という言葉を心の中にしまっておいてほしい。本当にお客さんにとって心に響く印刷物かと訴えかける手伝いをするのが私たち印刷会社の役割だと思う。いろいろな切り口があると思う。
印刷業は製造業・サービス業・情報産業
 少し切り口を変えてみると、印刷業は製造業でありサービス業であり、情報産業とも言われている。2001年に印刷産業は情報産業の仲間入りをした。なんとなく浮かれていたような気がする。どちらかというと情報産業の仲間なのでインターネットと正面から戦ってはいけないから感性とか人間の五感に訴える価値に軸を移して行った方がいいと正直思っている。政府は将来大きなことを考えているような気がしてならない。その中で製造業で行こうという人もあると思う。大いに結構だと思う。印刷の根底は製造業だと思う。ただし製造業でという一点張りで行くということは何処にも負けない価格勝負をしなければならない。そのためには作るものを変える。作り方を変える。作る価値観を変える。この3つを変えて行かなければならないと思う。作るものを変えるというのは製造業一本槍で行こうとすれば何から何まで作って行っても敵わないはずである。自社の一番得意なものは何か。ここにエネルギーを集中して行かなければならないと思う。そのためには従来やっていた仕事の中でも付加価値の低いものは集中と選択の中で排除して、売上を落としてでも付加価値の高いものにモノづくりをする集中も必要ではないかと思う。さらに製造業として歩みを進めるとするならば作り方を変えなければならない。ネットを使いITを活用してできる限り人手を排除した合理的な作り方をそれぞれがそれぞれの印刷物の中で考えて行かなければならない。作る価値観を変える。言うまでもなく、私たちは印刷というモノづくりが大好きで、モノづくりから1歩進められなくて、顧客第一主義と言いながら本当のお客様の立場に立っていない。自社の機械第一主義でやって来た。本気で顧客第一主義という原点に回帰をしなければならない。
 2番目のサービス業としての印刷は、サービスというのは人の面倒くさいことをやる。本気でサービス業としての印刷は手伝うである。これも少し顧みるとお客様が求めている印刷は入口から出口までである。あるものは企画をしてデザインをしてレイアウトをして製版して印刷して加工して梱包して配送する。これだけあるものを全部手伝えば、アメリカの付帯サービスではないが広がるはずである。お客さんは印刷発注が大変である。全部やらなくていい。お客さんの困っていることを手伝うのがサービス業である。毎日行っている営業マンがそこを見分けてビジネスとしての手伝いをする。1歩深めてほしいと思う。
 3番目の情報産業は、今話をしたので言うまでもなく情報産業としての存在もきちんと考えなくてならない。さらに印刷の考え方を振ってみると情報はどうやって受けるか。我々も立場を変えて受け手の問題として見てみたらどうなるだろうか。皆が知っている情報を自分だけが知らなかったら寂しいではないか。皆が知っている情報は自分も知っていたい。一斉に知っていたい。当然である。情報の基本的キーだと思う。今日、全印工連の会長のセミナーを聞いて疲れた。家へ帰ってビールでも飲みながらテレビでも見てのんびりしたい。テレビにこだわっているのでパソコンを開くと言ってほしくない。スイッチを入れるとテレビが点く。ゆっくり野球でも見たい。こんなことも人間の本質である。何か事件が起きた。例えばテポドンが飛んだ。皆さんは何で見たか。これは結構キーになる。何か起きたという時には直ぐ見たい。何で見るか。インターネットで見たのか、テレビで見たのか、新聞の号外で見たのかいろいろなことがあると思う。そうすると情報に接する私たちは結構まだまだテレビも強い。テレビはボタンを押すと点くのでプッシュメディアと言われている。では印刷はなにか。印刷もプッシュメディアだと思う。ポケットに文庫本を入れておいて、出して開けば読める。電池も要らない。典型的な印刷のこのメディアの良さも重要だと思う。我々の天敵とは言わないがネットはプルメディアである。見たいところに順番にアクセスして情報を引っ張って来るプルメディア。テレビ、印刷のプッシュメディアとプルメディアは別のものであるので、共存して行くと思う。どこで分かれるかは何とも言えないので、こんなメディアとの接し方もあって、どう変化するかということもたまには考えてほしい。
変革は経営者の責任
 想像を絶するような変化の中で、印刷は決して弱くないと思うが、印刷を成熟産業、衰退産業だと言う人がいる。そんなことは絶対に無いと思う。世の中には今回の危機を見て、成長産業だと思った自動車産業が今操業率はどのくらいか。5割位に戻ったのか、まだ3割位か。私は分からない。成長産業と思った自動車産業がそんな操業率である。自動車は成長産業か。そうでないと思う。成長産業というのは神話であったと思う。だから印刷産業が成熟産業だとか衰退産業というそんな失礼な話はない。あくまでも個々の企業がきちんと目標を立てて経営者が執念を持って実行し成し遂げた会社が成長する。その執念が足りない会社が衰退するかも知れない。あくまで成長産業はない。成長する企業があるだけ。衰退産業もない。衰退する企業があるだけである。個々の企業の責任がますます大きく問われる。経営者の責任が問われてならないと思う。変革と言い続けているがやらなければならない。どうやったら変革できるか。変革をするためには最後はすべて経営者だと思う。
具体化の極致は数値
 先ほども言ったが経営者は大変である。社員が出来ないことをやる。一番働き者であること。これしかない。経営者であるからしょうがない。言葉と精神力だけでは変革は出来ない。頑張れだけでは出来ない。私も社員に頑張れと良く言う。日によっては1日に3回も言うことがある。今はこれは違う感じがする。先ほど世代間の話をしたが、私たちの時代は頑張れで通じた。過去は通じた。これからは1つずつ具体的に言ってやらなければならない。頑張れよ!では駄目である。何を頑張るのか言ってやらなければならない。例えば営業マンであったら今日は午前中に3社回って来い。もっと具体的に言うならば今日は午前中にA社に行って次はB社に行ってC社に回って来いと、何でこんなことまで言わなければならないのかと経営者の皆さんは思うかも知れない。しかしそれが時代である。丁寧に話をする時代だと思っている。私もよくやる。ちょっと社長室へ来てくださいと言う。私は感覚的にはちょっとというのは5分である。この間、聞いてショックを受けた。社員と話をした時、社長はちょっとは5分と思っているかも知れないが、私たちはちょっとは30分だと思っている。だから社長に呼ばれた時には先ずトイレに行ってから社長室へ行きます。ちょっとはこのくらい差がある。今は中間を取って15分来てくださいと言っている。1つのキーとして会社の方向を進めるにあたって是非具体化してほしい。具体化の極致は数値である。明確な数値を出すこと。これが直ぐ出来ることの1つだと思う。繰り返すが言葉と精神力だけでは変革は出来ない時代だと思う。経営者の皆さんが堪えず変革に対して気付き、それを実行することである。皆さんは経営者である。私も同じである。何故経営者で居られたかというと、変革に対する気付きがあって、それを実行したから経営者が出来た。ただそのスピードがますます速まっているから、だんだんセンサーも錆びてきたがもう1度一緒に磨いて、もう1回磨きをかけてチャレンジをしようではないか。
業態変革の実践
 つい最近本を読んでいたら、これからのビジネス、社会はABCと書いてあった。A=当たり前のことを、B=ぼけっとせんと、C=ちゃんとしいや、関西弁である。当たり前のことをぼけっとせんとちゃんとしいや、今社会に求められているのは原点回帰としてこんなことである。ABCだけで足りなくて最近はABC+DEと、D=できるだけ、E=笑顔で、今のこの厳しい社会を生きる、厳しい環境を乗り切るため改めて原点回帰してみると当たり前のことをぼけっとせんとちゃんとしいやできるだけ笑顔で、こんなことと思うかも知れないがそれを繰り返して行くことである。正に紙一重で1つ1つの積み重ねがもう1回大きな差になるような気がする。今それに気付いて実行すれば差別化が出来るような気がしてならない。
 業態変革をやっていただきたい。折角仲間であるので一緒に変革しよう。厳しく言えば変革するリスク、変革しないリスクはどちらが大きいだろうか。社会が高加速度的に想像を絶するようなスピードで変化をしているわけだから、どう考えても変革をしないリスクの方が大きいはずである。経営者として変革をしなければならないと思う。業態変革にはスタートも終わりもない。思い付いたらやっているという人はさらに変革を進めてほしい。今気が付いてこれから1歩1歩チャレンジをしよう。紙一重である。1日1日気付いて早くやった方が変革が早いと思う。やり続けることだと思う。こんな言葉がある。初心忘れる可からず。時々初心忘れる可からず、老後初心忘れる可からず。永遠に原点に戻って、気付いて改革を進める。それが経営者の最大の役目ではないかと思う。業態変革、我々は変革という言葉にこだわって来た。変革という言葉に思いも込めて来た。変化と変革は違う。変化というのは世の中の流れの中で一緒に動いて行くのが変化だと思う。変革というのは自分の意志で変えることである。一字しか違わないが根本的に違うと思う。自らの意志で変えるには相当のエネルギーがいる。社内でもこんな言葉があると思う。改善と改革。改善というのは既存の仕事のビジネスの流れを5〜10%位変えるのが改善、改革というのは根本的に仕事の流れを変えるから50%位変えるのが改革である。変革は社内でも十分通用する。改善を進めて行く上で我々はロードマップを提供している。ゴールを教えてくれと言われるが、売上を明日から倍に伸ばす特効薬はない。コストダウンの道はあるはずである。これは我々もアドバイス出来る。後は特効薬を使うかどうか。どう活用するかは皆さんの役割である。ゴールは全印工連6,450通りあるから将来も生き残って行けると思う。
印刷は優勝劣敗
 今年はダーウィンが生まれて200年になったと思う。ダーウィンの進化論にぴったり今の社会が合うような気がしてならない。もっとも賢い種が生き残ったわけではない。もっとも強い種が生き残ったわけではない。環境の変化に適応した種のみが生き残った。確かこんな文章であったと思う。正に変革をした種が生き残って来た。今に始まったわけではない。世の中で変革をし続けた者のみが生き残るということが我々の社会の常である。それを我々のビジネスに当てはめてみると、決して弱肉強食ではないと思う。弱い者を蹴散らかして行くのではない。優勝劣敗。相手も強くてもいい。相手も勉強している。それ以上に勉強をすると勝てる。お互いに磨き合って行く。決して相手を蹴落とすだけではない。根本的に弱肉強食と優勝劣敗は違うと思っている。我々の産業もモラルを持つ限り優勝劣敗である。相手が頑張っているならもっと頑張るような形をやり続けるモラルも非常に大切ではないかと思う。お客様は印刷会社を選択するが、お客様はある意味クールである。これはしょうがない。そしてお客様は非常に敏感である。大きい小さいではなくて自社にとって一番都合のいい会社を選択する。あくまで選択するのはお客さんである。大きい小さいでない。自社にとって都合のいい会社を選択する。勘違いしないでほしい。日本で1番高い山は富士山である。2番目に高い山は分かるか。北岳である。日本で1番大きい湖は琵琶湖である。では岡部理事長にとって1番の百貨店はどこか。丸井今井ですか。私は伊勢丹である。1番が違う。富士山が1番は決まっている。岡部理事長は札幌だから丸井今井、私は新宿なので伊勢丹。ここが同じである。お客様は大きい小さいから選ぶのでなはなく、自分にとって一番都合の良いところを選ぶ。お客様にとって大きい小さいではなく最適なビジネスを提供してくれる会社が選ばれる。お客様にとって最適なビジネスを提供するために業態変革をすると考えてほしい。先ほど印刷業は製造業であり、サービス業であり、情報産業であると言った。確かに顧客第一主義である。我々はあまり上手くない。サービス業というのはどうも下手である。そこで思い切ってサービス業と定義してはどうか。印刷業は製造業であるので工場があれば出来る。サービス業は工場は要らない。サービス業だとすればお客様の考えていることを形にするから、お客様と一緒に考えるというのがこれから大きな視点になるはずである。堪えずお客様の想いを形にする。その中で先ほども話したが御用聞き営業は重要なキーワードになるような気がする。昔、魚は魚屋さんが注文を聞きに来て持って来てくれた。酒は酒屋さんが持って来てくれた。ところがある日なくなってしまった。スーパーマーケットが出来てそこでワンストップが出来てしまった。でも今またネット上にショッピングモールっという御用聞き営業が出来ている。壮大な実験やっているような気がする。昔と違うのは酒屋さんは酒しか持ってこなかったのがネット上では1人のお客さんに対して化粧品から旅行まで何でも売る。何でも売るがキーである。印刷はどうだろうか。お客さんのところに毎日行っている。お客さんが悩んでいることを毎日聞いている。いろいろな情報を持っている。自社を中心にしてこのお客さんが悩んでいたら何でも自分で解決しないで、たまにはこっちの人とくっ付けてやるとかをする。自分で解決できるものは勿論自分でやるが、いろいろなことが出来る。何でも屋で良いと思う。1歩踏み込んで本気で悩みを解決する。1歩踏み込めばいい。それだけで印刷業はこれからも十分行けると思う。絶好のポジションにあるとプラスに捉えようではないか。御用聞き最大のキーは共感力である。お客様の悩みを共感する。共感力は私たちは下手である。友達と話していると妙に共感するが、どうもお客さんの話には共感出来なくなる。友達に話すような割り切りをもって共感力をもってビジネスを進めること。さらに社会が進めば進むほど人でしか出来ないビジネスも大いにあると思う。人の心を形にする印刷産業は大いに行けると思う。これからも皆さんと一緒に頑張って行きたいと思う。

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