「私が実践した業態変革・ワンストップサービス」
平成20年度第2回全道委員長会議・下期北海道地区印刷協議会・
業態変革実践パネルディスカッション
 平成20年度第2回全道委員長会議、同下期北海道地区印刷協議会が、3月6日午後1時から札幌市中央区の札幌パークホテルで全道から委員40人が出席して開催された。
 また、全体会議の中で、「私が実践した業態変革・ワンストップサービス」をテーマに業態変革実践パネルディスカッションが開催され、委員と組合員80人余りが熱心に聴講した。

〔全体会議・北海道地区印刷協議会・
業態変革実践パネルディスカション〕
 最初、岡部理事長が、全道から参集の組合員と全印工連・全青協の来賓の方々にお礼を述べ、「久振りしぶりに本州の人と地元の人達が語り合える時間が持てて良かったと心から思っている。今日は昨年の10月に鹿児島でキックオフした業態変革実践プランについて、これからじっくり皆様方と語り合ったり、ディスカッションをしたりということである。何か必ずや得るものがあると思うので、貴重な時間を割いていただいて、皆様方とゆっくり会談を持ちながら進めていきたいと思っている」とあいさつした。
 次に、山岡全印工連副会長、花井同業態変革推進企画室副委員長、島村同委員、高橋同事業課長、臼田全青協議長、山本・江森・三島同副議長の8人の来賓紹介が行われ、来賓を代表して山岡全印工連副会長が、「全印工連は別に上の組織ではない。浅野前会長が言っていたように全印工連のお客様は各県工組である。皆さん方がお客様だと思っている。また全印工連の運営に対して皆様方のご尽力を賜り本当に感謝申し上げている。お蔭様で全印工連も今のところ順調とまでは行っていないが、だんだん厳しくなってきているが何とか進めて来ている。先ほど岡部理事長から話があったように昨年10月には皆さんお揃いで鹿児島までおいでいただき本当にありがとうございました。その時は、今日また発表されると思うが全青協の幹部の皆さん方からがいろいろとすばらしい話がでた。この再現を今日やっていただけると思うので、厳しい時代にどうやったらご飯が食べられるかというように進めて行っていただければありがたいと思う。本当にこの厳しい時代、私が話をしても意味がないし、いろいろな評論家の皆さん方が言っているが殆ど当たっていない。そういうような時代に入ってきた。厳しいのは確かに間違いないが、あるところで聞いた話では、印刷産業は殆どが内需の仕事である。輸出に携わるカタログなどは確かに厳しいだろうが、一般の印刷の人は内需のものだからそれほど厳しくないのではないかという話も聞いた。昨年から原油の値上げからいろいろなものが上がってきたが、ここへ来て少しずつ変化をしてきた。北海道だけでなく仙台の理事長が話していたが、仙台にも製紙工場があってそこから紙を入れているのに東京との格差が5%ある。北海道はもっとあるらしいが、ここは皆さんの力でそんな格差をつけるなとはっきり言った方がいいのではないか。私どももそういうことに関しては強力にメーカーの方に申したいと思っている。最後になるが、水上会長が『業態変革・ワンストップサービス実践ガイドブック』を是非読んでくださいと言っている。確かに難しく書いてあるところもあるが、全部が全部当てはまることはあり得ないと思う。自分のところに当てはまるものを、次のステップにどのように役立てたら良いかということが書いてある。読んでいただいて仕事の方に反映させていただければありがたいと思っている。これは会長からのメッセージである。確かに時代の変化が激しいので何かやらなくてはいけない、その時に参考にして使っていただければありがたいと思っている。最後になるが、北海道工組のますますの繁栄と今日ご臨席の各社のご繁栄をお祈りする」とあいさつした。
 次に、業態変革実践プランの概要について、花井全印工連業態変革推進企画室副委員長が、「私は5年ほど東京、札幌、地方と見て回っているが、東京と札幌、それ以外の都市との違いの変化が非常に出てきているような気がしている。紙の出荷額を見ても1月30%、2月20%と紙の落ち込みが急速に悪化して行く中で、全印工連の中では2005計画という共創ネットワークから始まり、その後2008計画をスタートした。第1ステージは業態変革ミニマムの実践であった。e‐meilをきちんと使ってほしいということである。北海道のいろいろな印刷経営者の方々とやり取りをする時にまだメールではなく電話という方が非常に多く、地方の距離感を詰めるには業態変革実践ミニマムのところをもう一度よく読んでいただきたい。第2ステージは原点回帰である。業態変革7keysを発表した。第3ステージは新創業はワンストップサービスである。新創業へのアクションプラン5doorsを発表した。ソフト・サービス化は印刷業界全体が遅れている。新潟、鹿児島大会でのアンケートの結果でもソフト・サービス化が非常に遅れている。経産省の所管も今はメディアコンテンツ課ということでサービスのところに少し力点を置いて行かなければならない。地方の印刷会社におけるハード中心からソフト・サービス化へを今以上に推し進めて行かなければならない。新創業へのアクションプランでもう一度自社の実態をきちんと見てもらいたい。現在行っている2010計画、実践プランの支援事業である。実際にワンストップサービスの具現化、全国コラボレーション推進対策、ガイドブックの発行、事例研究で他の企業がどのようなことをやっているのかが大きなポイントになる。リサーチの実施、教育プログラムの開発、相談室の設置なども考えている。こちらは本来はメールでやりたいところであるが全印工連の各企業の実態はFAXでなければならない。遅れている実態は、世の中との違いが出ている。新創業への戦略の中でワンストップサービスの出発点は印刷付帯サービスからと謳っている。印刷付帯サービスはガイドブックの48・49頁にソリューションマップが入っていて、印刷の工程の入口から出口まで載せてある。北海道と九州は単品通販の宝庫だといわれている。単品通販のネット系の企業が数多くある。利尻・礼文でネットだけで1億円以上売る企業も最近出てきた。小さな村でも1億円以上、3億円、5億円売るような企業がでて来ている。こういったところはネットを作る環境が脆弱であまり良くないという話も出ている。それらのデータが蓄積になって来て顧客名簿などいろいろなものが出て来て、そういう企業が今漸くとカタログを作るという話が多く出て来ている。そういった対応のできる地方の印刷会社が少な過ぎる。それが一番の欠点である。顧客のニーズと自社のシーズがマッチしていない。これは市場の変化で一番大きな問題である。新創業の戦略に入っているワンストップサービスである。入口から出口まで印刷会社の方でやってもらいたい。それらの印刷物が何処に流れているか調べたら大半が中央に流れている。東京を中心として大阪等の印刷会社に流れている。ワンストップサービスの到着点は顧客が望む商品にある。サービスの総合受注をどうするかということである。北海道の印刷会社で一番欠けているところではないかと思っている。顧客のニーズが今何処にあるのか。ただ単に印刷をするのではなく入口から出口までをきちんとする必要があるのではないか。北海道も含めていろいろな補助金がある。印刷という言葉を使うと駄目であるが、商品カタログ、リーフレットという言葉に置き換えるとそういった補助金を使って新しいビジネスチャンスがあると思う。ワンストップサービスは地方においては造注、新しい印刷物、新しいものを作って行こうということが一番重要なことである。これから公共事業等で印刷物がますます減少していく中で、新しい印刷物を作って行く仕組みが一番需要であると思っている。ガイドブックをよく読んで企業の体質に合ったものを実践して行ってほしい。これからも全印工連の業態変革実践プランを推し進めていくので協力をお願いしたい」と説明した。
 続いて、コーデーネーターに岸昌洋氏、パネラーに加藤景氏、高原淳氏、山本順也氏の3人、ゲストに臼田真人氏を迎え、「私が実践した業態変革・ワンストップサービス」をテーマに、業態変革実践パネルディスカッションが行われた。

BACK