「2008年印刷の月」記念式典を盛大に開催
 社団法人日本印刷産業連合会の「2008年印刷の月」記念式典が、9月17日午後4時30分から東京都千代田区のホテルニューオータニで、日印産連構成10団体の会員、来賓、関連業者など700人が出席して開催された。

 記念式典は、最初に山口政廣日印産連会長が、最近の政治、経済情勢に触れた後、印刷・情報用紙等の大幅な値上げなどで厳しい経営環境に置かれている印刷産業の現状を説明した後、「こうした情況下ではあるが、本年も業界を挙げて『印刷の月』諸行事を開催できることはみなさんのご支援の賜である」とお礼の言葉を述べるとともに、「印刷の月は、われわれ印刷産業人が業界の発展にともに努力することを再確認する機会でもある」と改めてその意義を強調した。
 さらに、「日本社会はグローバル化や少子高齢化、消費者ニーズの多様化などにより市場環境も変化し、現有設備や生産システムにも影響を与えている。新たなビジネスモデルを研究し、事業領域の拡大を図ることが急務となっている。
 日印産連としては、変動する社会情勢や技術革新に対応すべく、業界基盤を強化し、印刷産業発展のため、一層努力する所存である」とあいさつを述べた。
 来賓を代表して経済産業省商務情報政策局の近藤賢二局長が「私も中小企業庁にいたので、中小企業のみなさんの苦労は察する。あくまでも今はジャンプするための備えの時期と考えていただきたい。
 日本で印刷はたいへん古い歴史を持っている。100年、200年続いている中小企業も珍しくない。アメリカ人にこの話をしても理解してもらえない。
 ITの普及などで情報伝達手段が大きく変わっているが、ピンチをチャンスに変えてほしい。先人のあらゆる工夫、努力を思い、もう一度来た道を歩めば、世界へ出ていくこともできる。印刷業のみなさんが12月にパリで開かれる感性価値創造フェアに出展され、わが国の印刷をアピールする機会をもつと聞いている。世界に羽ばたく産業を目指してほしい」と祝辞を述べた。
 2008年9月印刷の月アピール(別掲)を水上光啓日印産連副会長が読み上げ、各種表彰へと移った。
 平成20年度日印産連表彰では、印刷功労賞12名、印刷振興賞19名が表彰を受けた。
 第7回環境優良工場表彰では、経済産業大臣賞に輝いた(株)新藤をはじめ各賞の受賞者が表彰された。
 全受賞者を代表して謝辞を述べた印刷功労賞受賞の浅野健氏(全印工連前会長)は、「印刷の歴史、奥の深さにこれから思いを深くしようと思っていた時に、功労賞の話をいただき、素直に喜ぶというよりは、私でいいのだろうかと気が重くなった。学んだことを活かせよ、という意味だと受け止めさせていただき、少しでも業界のお役に立てるように精進していきたい」と述べた。
 以上をもって「2008年印刷の月」記念式典を終了した。
印刷の月アピール
 2008年9月印刷の月にあたり、我々は印刷産業に携わる誇りと喜びを感じるとともに、社会に対して果すべき使命と責任を改めて確認するものであります。
 現在、印刷産業においては非常に厳しい経営環境のなか、高度情報化社会の進展に対応したデジタル化システムへの取り組み、環境保全対応、情報セキュリティーの強化など、さまざまな課題を抱えております。
 他方、グローバル化や少子高齢化、消費者ニーズの多様化などにより、市場環境も大きく変化し、的確な対応が求められています。
 印刷産業が情報価値創造産業として、さらに進展するためにも事業領域の拡大と課題解決に果敢に挑戦しなければなりません。
 ここに我々は“We Love EARTH We Love PRINTING”のキャッチフレーズのもと一層の結束を図り、国民生活と文化を支える産業としてその役割を果たすために、英知を集め業界基盤をさらに強化し、印刷産業のますますの発展を期するものであります。

2008年9月17日
社団法人日本印刷産業連合会

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