印刷燦燦
走りながら考えたこと

第28回北海道情報・印刷文化典十勝大会主管本部長 本田 公一
勇昇印刷有限会社代表取締役社長

 一部の大規模な会社の経営者を除き、印刷会社のトップのほとんどは自ら営業し、自ら印刷し、自ら配達していると思います。20数年前、晴海でIGASが開かれていた頃には東京の下町のあちこちに、間口1間程度の印刷屋が見受けられました。いわゆるマチの印刷屋。映画、フーテンの寅さんにでてくる虎屋の裏にある朝日印刷所のタコ社長は私が目標とした社長像そのものでした。地域にある商店のチラシや伝票をつくり、地域の人を雇い、儲けが出たらなにがしかのものを地域に還元する。小さいながらも地域に根をはり、安定した経営で永続的に営業しつづける、というものです。
 状況は変わりました。印刷技術のデジタル化と自由競争の徹底の大波のもと、強い者はより強くなり、市場での利益を追求するためにいまより完璧な自由競争を求めています。零細の印刷屋は自由競争にある程度のたがをはめること希望しているように思われます。赤字すれすれか水面下の経営を余儀なくされ、会社を維持するため、老後のために蓄えた貯蓄を切り崩している経営者も多いのではないでしょうか。
 日夜、走り回っている印刷経営者は幸せにならなくてはならない。
 8月には、第28回北海道情報・印刷文化典が帯広で開催されます。同じ様な思いを持つ人々が一堂に会し、十勝産の肴で美酒に酔いしれるのもまた一興ではないでしょうか。
 詳しいご案内は次号に掲載します。皆様のご参加を切にお願い申し上げます。

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