日印産連が「印刷インキ値上げに反対表明」
 (社)日本印刷産業連合会は、11月5日付で、印刷インキメーカー大手の東洋インキ製造(株)、大日本インキ化学工業(株)の両社に、印刷インキの価格改定に対して意見書を提出した。今回の価格改定についてはそれぞれ個別に会合を開き値上げの理由などについて説明を受けたが、理解はできるものの今回の値上げを受け入れられる環境にないとして、基本的には反対の業界姿勢を示した。

 東洋インキは8月28日、印刷インキ主原料である原油・ナフサの高騰や中国の環境規制強化による顔料・中間体の供給量減少などを背景に、1kg当たり40円の価格改定を発表した。大日本インキも9月30日、1kg当たり70円から150円の値上げを発表した。このほかインクテックと大日精化が1kg当たり60円から80円、サカタインクスも60円から100円の価格改定を発表している。
 印刷インキの主原料であるナフサは2001年の第1四半期に1kl当たり2万200円だったが、2007年第3四半期には1kl当たり5万9,700円を記録している。原油相場の高騰がその背景にあり、インキメーカーの採算性を押し下げる要因にもなっている。
 一方、印刷産業は出荷額の低迷と厳しい競争が続いているほか、今年7月の一律10%以上の用紙値上げ等資材コストの上昇が経営を圧迫している。
 こうした中、日印産連では10月29日、大日本インキ、東洋インキの2社が出席した説明会で、価格改定の理由を聴取した。その上で11月5日、「到底容認できる状況にない」と表明するための意見書を提出し、反対の姿勢を強く打ち出した。
 また、印刷物の提供には印刷インキの安定価格と安定調達が不可欠であるとし、インキメーカーに共通認識と相互理解を求めた。

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