第2回 
『知っておきたい労働基準法』

 戦後間もない昭和22年に労働基準法が制定されました。これまで幾度も時代の変動に伴い見直されてきていますが、この法律制定の根底には「労働者の保護」を目的とした労働条件の最低基準を定めるという趣旨があります。
 現在では労使関係も様変わりし雇用ルールも時代と共に大きく変わろうとしています。そこで労働ビックバンを見据えてベーシックではありますが、マークしておきたい労働基準法上の労働者と使用者について確認して見ることにしました。
 労働者のあるところに労働基準法(以下、「労基法」という。)が及ぶと言われています。しかしそもそもこの法律で保護される労働者に該当するのか、それとも使用者側なのか、実は少し判りずらいところであります。ここで下図を参考に管理職(労基法第41条(適用の除外)の管理監督者に限定しない)の労基法上の地位を定義から探ってみましょう。
労働者と使用者の判断基準の定義……労基法第9条(労働者の定義)、10条(使用者の定義)参照
 一概にいえませんが、部下がいて、部下を管理する立場にある者は使用者となります。ただし、その使用者である上司にもさらに上司がいると労働者でもあるわけです。
 例えば残業等を命じるなどの権限を与えられている課長であれば事業主のために行為する者として実質的に「使用者」にもなるのです。したがって指揮命令を行っていることから「使用者」となっても、賃金を支払われている以上は「労働者」でもあり2つの地位をもつことになる場合が多々あります。そして使用者となれば労基法上責任を問われる人になるということは言うまでもありません。

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