「設備の共有化は可能か?真のコラボレーションとは!」
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平成18年度第2回全道委員長会議・下期北海道地区
印刷協議会・業態変革推進プラン第3ステージ説明会 |
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平成18年度第2回全道委員長会議、同下期北海道地区印刷協議会が、3月2日午後1時から札幌市中央区の札幌パークホテルで全道から委員60人が出席して開催された。 また、全体会議の中で、花井副理事長から「業態変革推進プラン・第3ステージ」についての説明が行われ、委員と組合員90人が熱心に聴講した。 |
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2期目の理事長になった時に約束をした全道支部を隈なく訪問し、組合員の方々の意見を聞きたいという形で動いた。稚内支部を皮切りに十勝支部、函館支部、旭川支部、北見支部、南空知支部に伺わさせてもらった。膝を交えて、酒を酌み交わしながらの話し合いもあった。いろいろな意見を述べてもらい、その中で早速使えるものは使おうということで今意見を纏めている。今年は残り6支部を回って何とかいい意見をもらい反映したいと思っている。 今日は、後でグループに分かれてディスカッションをしてもらうことにしている。そのタイトルは「設備の共有化は可能か?真のコラボレーションとは!」として、皆さんで話し合ってもらう。このタイトルは何処から出てきたのかというと、6支部を回った時にそのような意見が出た。私自身もコラボレーションとか格好のいいことを言っているが中身は何も分かっていない。今日お集まりの皆さんに議論を重ねてもらい素晴らしいアイデアを発見できたらと思っている。 今年は選挙の年であり4月の地方選につづき7月に参議院選もある。印刷業界に少しのフォローの風が吹いているのではないかと思っている。是非これを機にこの1年素晴らしい印刷業界になるように期待をしたいと思っている」とあいさつが述べられた。 つづいて、全印工連副会長の山岡景仁氏から、「全印工連業態変革も第3ステージまで辿り着いた。残りの第4ステージは今のところ発表はされていないが、総括的なことになると思っている。 皆さんが印刷図書館に来て閲覧される機会はあまりないと思うが印刷図書館が60周年を迎えた。60周年事業の協賛金を募集しているので協力をお願いしたい。 今年は全国大会の開催がない。『印刷の月』の9月に東京でIGASが開催される。それに併せて全国大会に代る何かを企画する。来年は鹿児島で全国大会を開催する。是非、たくさんの方が参加してほしい」とあいさつが述べられた。 次に、業態変革推進プラン第3ステージについての説明が花井副理事長から行われた。 花井副理事長は、業態変革推進プランの背景として4つの潮流と3つの変化による大きな環境変化について説明した後、第1ステージの業態変革ミニマム、第2ステージの原点回帰とツールとしての7keysについて触れ、第3ステージの新創業について、新創業とは起業家精神を取り戻すことと事業領域を再定義し、さらに顧客の役に立つことと説明した。また、新創業のキーワードはワンストップサービスであるとし、アクションプランとしての5Doorsについて、Door1の顧客のことを真剣に考える企業体質、Door2の社会の大変化の認識と対応、Door3のより競争力を高める発想、Door4の独自性を発揮できる武器、Door5の新創業への戦略について解説した。 つづいて、全印工連事業報告として、武石三平専務理事から「業態変革を全国各地で業態変革推進企画室の委員の方が説明をしているが、大変難しいという声をたくさんもらっている。浅野会長は、業態変革は大変分かり易い、これほど分かり易いものはないと言っている。冊子は分かり易い言葉で書いていて、難しい表現はない。カタカナが多いので注釈も付けてあり、言葉の解説もしている。読むのは分かり易く書いてあるので読めるが、実践は大変難しいということだろうと思う。この冊子を是非読んでほしいことのお願いをさせていただく。先ほどの講演にもあったいろいろな背景から始まり、第1ステージ、第2ステージ、第3ステージまで全て書いてある。端書と奥付と中をパラパラということではなく、是非これを読んで勉強してほしいということをお願いさせていただく。分からないことがあれば冊子の一番後に企画室のメンバーの名前が書いてあるので企画室の方へ問合せをしてほしい。 約40年振りに印刷校正記号が改正をされた。40年振りということになると当時はまだ活版の全盛の時代であった。それから技術が大きく変わり今はDTPというような形でコンピュータがあらゆる部門、工程で使われるようになった。そういう意味でも校正記号が40年振りに改正されたのでお目通しをしてほしい。校正記号表は日印産連でセット販売をしている。100部単位で販売をしており100部で5,000円になっている。著作権の問題があり無断転載はできないことになっている。社員の教育にも使っていただけたらと思っている。 生命共済制度の内容を変更した。掛金は変わらないで加入限度額を引き上げた。変更の理由は高齢の方が増えて来たということと定年延長があり高齢者の方々の補償を充実したいということで4月1日から適用していく。是非、共済事業に加入いただきたい。特に経営者の方に加入いただきたいと思っている。 印刷コラボレーション展を開催する。今年9月に東京でIGASが開催される。全印工連と地元の東京工組でIGASの中に100小間のブースを確保した。コラボレーション展に出展の企業を今、募集中である。先着順であるので活用いただきたい。 印刷用紙の値上げについて日印産連でも日経に意見広告を掲載した。この広告をコピーして発注先に価格転嫁のお願いをしていただきたい。また営業マンの教育にもなるという声もあった。今までは営業マンはお客さんのところに行って値段を下げることばかり聞いて、それを受けてきた。今回は値段を上げる話を営業マンにさせていきたいということである。一般の消費者の方は原油高ということを十分認識しているが、日印産連では値上げの機会は3月までが限度だろうという話をしている。印刷資材の上昇分を我々印刷会社で止めることなくお客様に転嫁をさせていただく。この機会に是非それをお願いしたいということである。 今年の夏以降それぞれの製紙メーカーで約120〜130万トンの設備増強が行われる。18年の紙の生産高は約3,100万トンである。その増設された分が中国に行くのか国内で使われるのかによって変わってくるが、130万トンが国内で使われるのであれば需給が相当弱含みになることが考えられる。そういう意味で洋紙の値上げ問題についてはもう少し様子を見たほうがいいのではないか」と説明が行われた。
当初は、2つまたは3つ位のテーマという構想であったが、最初ということもあり今回はテーマを1つに設定し、討議をいただくことにした。先ほど、理事長のあいさつにもあったが、経営者懇談会で6支部を訪問したが、共通の話題となったのが設備投資の問題であった。それは投資金額と稼動時間が反比例するという経営上の大きな隘路であった。2005計画では共創ネットワークというキーワードであったが、それは、もしかするとそれ以前から出ていたかもしれないテーマである。2008計画に入るとコラボレーションというキーワードというか言葉で表現されている。皆さんの話を聞いていると頭では認識をして理解をしているが、実行するとなると理想と現実は違うということを聞く。その原因は各社の経営上の前提条件が多種多様であることはまぎれもない事実である。でも果たしてそれだけでしょうか。そこで、今回の委員会では、『設備の共有化は可能か?真のコラボレーションとは!』というテーマを設定させてもらった。設備の共有化をいう表現をしたが、新たな投資をして設備を持つということだけでなく、既存の設備の共同利用やもちろん新規設備の共同利用も含む。さらにはコラボレーションということになるかもしれないが遠隔地にある設備も含むと理解してもらって構わない。討議は、各テーブルとも副理事長が進行役を務める。グループ討議の時間は、1時間25分である。その後、1テーブル5分を持ち時間として討議内容の発表をいただくので、予め各テーブルで発表者を決めておいてほしい。その後で、理事長集約、各テーブルを横断しての質疑応答を行う。この質疑応答には全印工連の山岡副会長、武石専務理事にも参加をいただく予定にしている。1時間30分程度の討議時間で結論の出るテーマではないので、どうか飾らない本音の部分で意見交換をいただき、次回の委員会のステップアップになれば幸いであるし、各地区での同じような意見交換ができる契機になればと思っているのでよろしくお願いしたい」と説明が行われた。 次に、5つグループに分かれて「設備の共有化は可能か?真のコラボレーションとは!」をテーマに1時間30分にわたりディスカッションが行われ、討議内容について各グループから発表が行われた。
旭川では2月21日から紙の値上げをしたいという要請が紙商からあり、支部で情報交換をしたところ、上げ方がおかしいということになった。上げ易いところから上げるのでないかという感じがして、この値上げに対しては断固反対しようということにした。組合が各事業体に対してどうしなさいということができる立場ではないが、情報を取りながらそれぞれが交渉してほしいという文書を各組合員に配布した。印刷組合は初めて組合らしいことをしたという組合員もいた。 北印工組では、昨年、北海道庁に最低制限価格70%復元の要請をしたが、上川支庁は最低制限価格はない。仕事が少なくなったのもあるが現在は状況が悪くなっている。組合員から申し入れの要望があったので支部で検討し実施することにした。上川支庁だけでなく他の支庁でも申し入れをしてもらうとそれだけ力が大きくなると思う。
主題のテーマについては、印刷会社の現状として機械設備が多過ぎる、価格は一般ユーザーにとって叩けばいくらでも下がるという認識がある。設備の共有は可能かという以前に、そういう方向に持っていかなければならない。営業とか企画、制作等いろいろな仕事の形態があるが、設備を共有化する方向に持っていくと印刷を加工するということとは別の形態が出てくる。機械があまりにも多過ぎるという現状の中、逆にそれをやっていくべきではないか。進めていく上でいろいろな問題点が出てくる。設備を共有化する上でそれぞれの企業が特化することが第一の条件である。特色を持った企業同志でなければ共有化は難しい。経営者の意識を本気で変えられるかどうかが一番大きなポイントになるのではないか。実際に共有化をして売上げが上がっていく状況の中で、その仕事を出しているところが設備をしてしまったら話にならない。企業同志の信頼関係が築けるかどうかが大きな課題になってくる。共有化をしていく上での問題点もあるので議論が必要である。共有化を進めていくと最終的には合併という状況になるだろう。それが良いか悪いかは分からないが、社長が1人要らなくなる。自分たちも選んで最終的には選ばれる会社、スピード感のある会社、安心安全で良いモノ作りができる会社にしたい。共有化をする上で一番大切なのは意識改革である。
函館は合併し瞬間的に人口が30万人になった。今は29万人強である。合併して仕事が増えたかというと実際そういうようにはならない。どんどん売上げが落ちて行き、利益も出てこない。そういう中で新しい設備投資ができるかというと、実行したとしても機械代を払っていくという状況にならない。お互いの機械を利用しながら行くべきではないか。 旭川支部長から紙の問題で連絡をもらった時には、函館では具体的な動きは無かった。その後、問屋に聞いたところ、ぼちぼち話を出しているということであった。価格交渉ではなく、状況がこういう状態なので近々値上げになるので理解してほしいという話をしているとのことである。函館は3月21日から上げるという話である。
私はフォーム印刷の会社である。一昨年、札幌市内のあるフォーム印刷会社が自社の機械は古くなったが、新しい機械は入れられないので工場を閉鎖して、営業だけは続けたいということになった。何処で印刷しているというのは禁句という条件で受けた仕事を印刷してくれないかということであった。当社を入れて3社で受けることにした。値段については高いか安いか分からないので取り敢えず1年間やってみようということでやっている。これが非常に上手く行っている。これも一つの共有化というかコラボレーションになるのではないか。 これから出てくるICタグの問題がある。この機械設備をするのに1億2〜3千万円かかる。我々は仕事があるかどうか分からないのにそんな設備はできない。ICタグに取り組もうとしている会社の社長と話をして、札幌のフォーム印刷業者は機械は入れない。その代わりそういう仕事を受注した場合はそこに全部お願いをする。それは極秘にすることとして実行することにしている。当社はICタグの仕事は1件も受注していないし、そこもまだ機械を入れていない。それも一つの機械の共有化ということになるのではないか。我々中小零細企業は、今いろいろ設備をしても大変である。それなら何とかグループ化をして行ってはどうか。それには先ほどから話が出ているように、先ず経営者同志が親しくならなければどうにもならない。昔、仕事を出したらそこの営業がクライアントのところに行き、これは当社でやっていると言い、10円のものは8円でやるということがあった。そういう次元の低い人との付き合いだけは皆さんやめましょう。本当に信頼できる者たちが集まって、そこで何回も話し合いを重ねて行ってほしい。先ほど話のあった株を共有することでもいい。今日初めて会った人たちもいると思うが、酒を飲んだり語り合ったりしながら、この人となら組んで行きたいという人たちでグループ化をして行くのも一つの手である。そうした中で合併という話もあったが、今、大企業で合併ということが起きているが、そのうち中小企業にも来るかもしれない。合併のことはよく分からない。 ドイツやアメリカでは営業専門、昔でいうブローカーが増えている。その人は仕事を受けたらこの仕事は何処が得意だというようにして仕事を振り分ける。アメリカではディストロビューターというようである。アメリカの印刷会社はディストロビューターからの仕事を受けるところが多くなってきている。ドイツではそういう人は工学博士くらいの身分である。印刷は決して蔑んだものではない、素晴らしい情報産業の中にあっての印刷製造業である。我々は情報産業で製造業ではないと言っても機械を使って印刷をする製造である。美しい言葉でいえば情報産業の担い手であるとなるが、やっぱり製造である。その中で如何に皆が上手に生活していくのか、そして如何に安い価格でなくいい価格で、従業員に少しでも多い給料を払って、優秀な人材がどんどん会社に入ってくれる。そうなると印刷業はハイレベルの業態になっていくと思う。答えになっているかどうか分からないが、いずれにしてもいただいた意見は整理し、三役会で取り上げ煮つめていきたい。できるだけいい答えを皆さんに発信したいと思う。
印刷用紙が3月21日から値上げするという話があったが、東京でもそういう話が随分出ていた。値上げの時の最初の話は原油が上がったのでどうしても値上げをしなければならないと紙屋さんは一生懸命言っていた。今、原油は下がっている。それでどうして上がるのか聞きたいと思う。相手が何かを言って来たからはいそうですかということではなく、分かりましたという返事だけはしてはいけないそうである。紙屋さんから値上げしてほしいと言ってきたときには分かりましたとは言わない方がいいそうである。そこのところは逃げておいて安いところから買いましょうということにした方がいいと言っていた。 東京の場合は、製版、刷版、製本等分業化されているので共有ということができるが、地方では近くにそういうところがないと自社で全部設備をしなければならない。そういう点では本当に大変だと思う。共有化の話では、皆さんが設備をオープンにして、こういう仕事が来たけれど出来るかというようにしていくのがいいと思う。 先ほどの講演で、東京に行って仕事をしなさいという話があったが、今、東京に地方の印刷業者が1,400社以上来ている。はっきり言って価格を安くされている方もいる。東京は確かに仕事は多い。浅野会長は「東京の人間は甘い、仕事があるからのんびりしている。地方から来て一生懸命やっている」ということを随分言っている。何はともあれ印刷物がなくなることはないという話をいろいろな人から聞いて、私も安心している。印刷物が最終的になくならないものはお札である。これは刷るところが決まっているのでしょうがないが、自分のところで刷れたら一番いいと考えている。本当に厳しい時代に入ったが、皆さん方はどうして原価を維持して、的確な価格で仕事が取れるように頑張ってほしい。地方の場合は企業の本社が東京に移ったりして仕事が少ないと思うが、今現在ある仕事で何とか上手くやっていただければと思う。 市町村合併で3市が1市になったら伝票や何でも印刷会社は1社になってしまう。量が増えるかと思えば量は増えないそうである。そういう意味でも仕事量は減ってきている。たくさんあった銀行が今は都市銀行は3つしかない。仕事量は増えたかと思ったが減っているわけではないが大して増えていない。カレンダーをみれば分かると思うが、そこのエリアに配るだけであるので、同じようなところが一緒になっただけであるのでエリアが増えるわけではない、数も増えるわけでない、仕事量は減っている。これからデジタル時代に入り、自分のところでは出来ないが通信で他所に頼めばなんとかなる。 聞くところによると新聞社もかなり厳しくなってきたという話が出ている。厳しい話ばかりであるが、一番楽しい話は皆さんがこうやって集まり、何とかやっていこうという話し合いができるだけでも幸せと思っている。 価格を下げないためには、原価をチェックしていただきたいということをお願いしたいと思う。
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