印刷燦燦
雑  感

常任理事・旭川支部長 谷川  敞
谷川印刷株式会社代表取締役

 北海道にも漸く、短い夏がやってくる。
 夏休みの風物詩の一つとして、ラジオ体操がある…あった。一昔前までは、朝、ラジオ体操のリズムの音と賑やかな子ども達の声があちらこちらで聞かれたものだった。
 町内の青少年育成部を担当していたこともあり、町内会の恒例行事として、子ども達が夏休みの期間、ラジオ体操を行っていた。ただ、青少年育成のため…とは言いながらも、時代の流れからご他聞にもれず、子どもの数よりもお年よりの方の参加のほうが多く、福祉部担当のラジオ体操にした方が良いようにも感じられるようになってきている。
 少子高齢化で、地域からずんずんと子どもの数が減ってきて、子ども達の明るく弾んだ賑やかな声が巷で聞かれなくなって久しい。今年の春先には「スズメが消えた」ことで、メディアにも大きく取り上げられるほどだった。スズメのことも気にかかるが、子どもに関してはもっと重大事。お役所も少子化に歯止めをかけるべく様々な施策を検討されていることだろうが、なかなか思うように任せないのが現状のようである。
 両親が安心して育てられる経済環境、女性が安心して子育てに専念できる意識の啓蒙など、女性が子どもを育てる環境と不利を感じない制度などを整備することが喫緊の課題ではないのだろうか。ただ、そうしたところで、すぐに出生率が回復するとは思われないが…息の長い努力が必要と思う。国に任せるだけでなく、地域でも業界でもみんなで応援することが大切だ。
 サクランボの季節になり、我が家の庭先にも朝のスズメの賑やかな声が戻ってきた。
 庭先のスズメのように、地域に子ども達の賑やかな声が戻ってくるのは何時の日か…待ち遠しい限りだ。

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