全印工連の事業推進について
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平成17年度下期北海道地区印刷協議会開催
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平成17年度下期北海道地区印刷協議会が、1月10日午後2時から札幌市中央区の札幌グランドホテルで、理事・監事34人が出席して開催され、全印工連の事業推進について、武石全印工連専務理事から説明を受けた。 | |||||
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全印工連の事業推進について
全日本印刷工業組合連合会 はじめに
今は景気の方も昭和40年から57ヵ月続いたいざなぎ景気に次ぐ3番目の景気が良い期間が続いているとのことである。平成14年から48ヵ月景気が拡大基調を続けているといわれている。本当にその実感はありますか。私どもはなかなか実感は沸いて来ない。いろいろと明るい兆しは出始めたといっても、中小企業のいろいろな指標を見てもまだまだ中小印刷業界は水面下にある。勿論、景気の時流に乗り回復をした企業もあるだろうが、どちらかいうと中小印刷業は大変厳しい状況である。出荷額も数字の上ではどんどん減っている。その分は何処へ行ったのかというと、多分新しいメディアの方へ行っているのだろうと思う。そうは言っても私ども印刷で商売をしているわけなので、本業の印刷で何とか利益を上げるようにしていかないと、他のいろいろな業容、業態を改善をして行く、あるいは事業を広げていくにも、本業の印刷で収益、利益が出ないとなかなか難しいということであると思う。 業態変革7keys〜原点回帰〜 業態変革推進プランを一昨年スタートした。業態を変えていこうということであるが、実は業態変革という言葉もさして新しい言葉ではない。それぞれ皆さんが商売をやっている以上はお得意様あるいは周りの環境によってそれぞれ商売の手法、やり方を変えて来られて今があるのだろうと思っている。ただ残念ながらそれ以上に変化のスピードが速いということである。社会もお客様も、いろいろなメディアがどんどん出てくるなど、私どもの思い、予想を超えるような速さで進んでいるということである。業績が伸びない、売上げが伸びないということをよく耳にするが、従来のやり方を変えていかなければおそらく利益も出て来ないことだろうと思う。どうか社内、お客様等いろいろなしがらみがあるとは思うが、従来のペースでやっていって利益が出なければやはり変えていかなければならないということだろうと思っている。昨年の10月の新潟大会で第2ステージとして発表したのが原点回帰である。本業の印刷をしっかりとやっていこう、そこで利益を出していこうということが原点回帰の意味である。そのために全印工連でツールを用意させてもらった。業態変革7keysというツールである。全部で7つの鍵で65項目のチェックポイントを用意させてもらった。自分の会社を自己採点してほしいということである。そしてどの方向に行くのか、どちらの方向を目指すのか、その辺もこのツールを使ってもう一度、自身の経営のあり方の見直しを行ってほしいということで用意をさせてもらった。勿論これは他の会社、企業と比較をするものではない。7つのkeyについて新潟大会の席上で記入をしてもらったその集計結果も入れてある。強いところと弱いところがはっきり見ることができると思う。特に7番目のkeyのコラボレーション、6番目のkeyのソフト化・サービス化は一目瞭然で大変弱い部門であるということがわかると思う。各社によってそれぞれ違うので一概にこれと比較をしてということではない。 自社のポジション 印刷業界でこれから一番伸びる部門について、5年後10年後はどの方向に行くのかの参考になる話が昨年あった。11月にアメリカに印刷工業会(約45,000社加入)があり、そこの会長が来日され話をした。勿論、アメリカは日本と景気が違うので一概に比較はできないが、アメリカで一番伸びているあるいは伸びる部門が、ソフト化・サービス化の戦略だそうだ。付帯サービスがこれからここ5年でアメリカでは成長分野であると伺った。付帯サービスといってもいろいろあり、どんな中身かというとグラフィックデザインサービスとか発送代行サービスあるいはデータベース管理、デジタルフォトサービス、印刷物保管、ホームページといったものがこれからのアメリカの印刷業界では有望分野であるといわれている。既存の印刷を上回るような伸び率で2004年は推移をしているということであった。日本の方はどうなのかというと、年末に印刷会社にアンケートの協力をしてもらい約250社の回答があった。その中で、私どもの印刷業界でも伸びる分野としてあるいはこれから5年間で力を入れていきたい分野が、やはりアメリカの工業会と同じ方向であった。企画受注分野、アウトソーシング分野、セキュリティ分野、パーソナル市場、こういったところが2005年から2010年にかけてこの5年間で力を入れて行きたい分野であるということであった。もう一つ大きく力を入れて行きたいところでは、デジタル印刷、オンデマンド印刷の方向に力を入れて行きたいというのが半数の方であった。いずれにしろ人口がどんどん減って行くし、私どもを取り巻く環境もどんどん変わって行く。今現在、利益、収益が出なければ何処かを変えていかなければ5年後10年後大変厳しい状況になると思っている。そういう意味で業態変革推進プランの7keysを活用してもう一度自社のポジションを確認して、どちらの方向に進むのかそれを是非一度考えてほしいと思う。この中身については全印工連のホームページに載せてあるので、ダウンロードして活用してほしいと思う。7つのkeyと65項目の対応をどうするのかということも、こういったセミナーがあるとか、テキストがあるとかということも全部載せてある。特に今、日本の印刷にも掲載をさせてもらっているが、創業100年を経過する印刷会社が全国で160社程ある。100年前というと明治の38〜39年になる。日露戦争が終った後であるが、それ以来印刷を守って現在に至っている。そして組合活動も同じようにされている会 ソフトウェアライセンス再点検キャンペーン ソフトウェアライセンス再点検キャンペーンは、私ども印刷会社ではいろいろなアプリケーションソフトを使っているが、それはライセンス契約で自分の持ち物にはならない。使用する権利を買い求めたということである。したがって買ったので自分のものと思うと、それは大きな間違いである。自分のものであったらそれをコピーをして使えるわけだが、それは違法な行為になるということである。違法な行為になるとどういうことになるかというと、不正コピーが発覚した場合、損害賠償が請求され訴訟が起こされる。損害賠償金が取られ、訴訟なので弁護士費用がかかってくる。50万円、100万円の単位ではない。今までの事例だと1,000万円以上の金額が発生している。全印工連、ジャクラ、GCJの3団体で不法コピーを無くそうということで今再点検推進キャンペーンを実施している。1月31日までに登録をすると、もし仮に社内でアプリケーションソフトをコピーして使っていても全部それはなかったことにするということである。勿論その分は買上げることにはなるが、損害賠償等の法的責任は免除される。このソフトウェアライセンスの再点検は期間限定のものであるので利用してほしいと思っている。これも全印工連ホームページから登録ができる。特にこの不法コピーについては知らないのは社長だけということが大変多いそうである。社員の方がコピーをして使っているケースが多いそうである。社長が社員の方に我が社は大丈夫かと口頭で聞いても当社は大丈夫という答えが返ってくるとのことである。ところがその時点で現場ではコピーをして使っているケースが非常に多いということである。印刷会社でも不法にコピーをして裁判沙汰になったということが何件か聞いている。不法コピーを無くするということで1月31日までに登録をすると法的責任がなくなるというキャンペーンであるので是非一度検討してほしいと思っている。 印刷サービスグリーン基準認定制度 印刷サービスグリーン基準認定制度の創設については、私どもも参加して日本印刷産業連合会の方で認定制度の準備をしている。特に環境問題で再生紙のマークなどを目にすることが多いと思う。今回、私ども中小、大手を含めた印刷業界を全て網羅する日本印刷産業連合会で印刷サービスグリーン基準の認定制度を作ろうということで準備を進めている。2月に具体的な中身を発表し4月からスタートをする段取りになっている。最初は印刷工場の認定を4月から行う。10月からはその印刷工場で製作をする印刷物、印刷関連資機材の認定制度をスタートさせる予定にしている。既に若葉色のマークも決まっていて商標登録を行っているところである。2月には具体的な金額も含めて詳細を発表するので是非活用してほしいと思う。 個人情報保護法 個人情報は大変敏感になっており、国勢調査でも個人情報を理由に提出をしない人がいるということが報道されている。過敏になる必要はないが、最低限、お客様からデータを預かる以上、漏洩のないような体制を整えておかなければならないのは当然のことである。昨年、個人情報に関してどんな点が分からないのか、どんな点について知りたいのかのアンケートを行った。そのアンケートをもとにQ&A集を作成した。2月の中旬に発行する予定になっている。約80ページ位で、86項目の質問に対する答えを載せてある。受託業務、受託業務以外、安全管理、顧客企業と契約に関するQ&A等々で、価格は1,000円を想定している。中身については、凸版、大日本の法務部、弁護士のチェックを受けており役立つ冊子だと思っている。 輸入紙研究会 昨年の地区印刷協議会で話をした印刷用紙の値上がりの問題では、製紙メーカーの方は価格修復という表現で2年毎のサイクルで値上げを行っている。その際、全印工連を含めて日本印刷産業連合会では国内メーカーに頼っていては、また2年毎に値上げが繰り返されるということで寡占状態を何とか打破したいという思いで、一昨年の暮に輸入紙の研究会を発足させた。印刷業界にとって有益な輸入紙調達についてということでそのレポートがまとまった。製紙メーカーは値上げの時に紙は市況商品だということをよく言う。ところがA2コートの価格推移の資料によると日本の価格の動き、ドイツ、アメリカ、香港の価格の動きがあるが国内紙だけが高い状況にある。これは日本製紙、王子製紙の2大メーカーを中心とした寡占状態が続いているということである。現実を嘆いていても仕方がないので、輸入紙について日印産連でいろいろと研究をしレポートの形でまとめた。日本の印刷でも抜粋の形で紹介をしている。是非、輸入紙についても視野に入れて検討をしてほしいと思っている。
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