年金制度改正で女性の年金も変わります(平成17年4月実施)
公的年金制度では、現役世代が支払う保険料によって高齢者の年金給付を賄う「世代間扶養」というしくみで成り立っています。今回の改正では給付と負担のバランスを図ることが課題となり、この背景は平均寿命が伸び続け高齢者人口の増加の一方で、出生率が年々低下するわが国の少子高齢化が顕著になっていることです。「子どもができても働き続けたい」・「子どもが大きくなったら再び働きたい」という状況に対し、今年4月から、国の年金制度の改正として、(1)育児休業期間中の年金保険料に関する改正と(2)国民年金の第3号被保険者の届出忘れの救済措置が実施されます。どちらも女性の年金に深いかかわりがある改正事項として注目されます。
次世代育成支援の拡充
・3歳未満の子を育てるための休業期間中は保険料が免除に
育児休業等を取り4月以降に保険料免除を申し出た場合は、子が3歳になるまで育児休業期間中の厚生年金保険料が免除されます。なお、育児休業期間中は休業に入る前の保険料を納めたものとして年金額が計算されるため、育児休業を取ったことにより年金額が減ることはありません。
・勤務時間短縮でも年金額が減らないしくみに
子が3歳未満の方で育児休業を取らずに仕事をする場合、育児を理由に勤務時間を短縮するなどして給料が下がったときは、申し出により保険料の負担も引き下げられます。なお、この期間の分の年金は育児休業等に入る前の保険料を納めたものとみなして計算されます。
国民年金第3号被保険者の特例届出の受け付けが始まります。
・第3号の届出を忘れていると年金が減る原因にも
サラリーマン世帯の専業主婦(夫)は国民年金の第3号被保険者になるには届出が必要です。現在は配偶者の勤める事業所経由で行われていますが、平成14年4月以前は、直接本人が市町村の窓口に出向く必要があったため、届出漏れの事故となっていました。
・今年4月以降に手続きをすれば届出忘れを救済
届出忘れに気づいた場合、現在の制度では過去にさかのぼって第3号被保険者と認められるのは2年間だけです。このため、それ以前の期間は年金制度に未加入となります。しかし、今年4月以降に社会保険事務所で手続きをすれば過去の第3号被保険者の未届期間がすべて保険料納付済期間として認められます。
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