印刷燦燦
心ゆれ動いて

副理事長・環境委員長・旭川支部長 則末 尚大
第一印刷株式会社代表取締役社長

 高松市で開かれた全日本印刷文化典香川大会及び翌日の全印工連全国大会に参加させてもらった。
 瀬戸内海のキラキラ輝く海にせり出すようにそびえ立つサンポートホール高松、そこを会場に初日は記念式典、基調講演、懇親会と続いた。はじめての参加なので、すべてが物珍しいのだが、私の思いは来年8月に旭川で開催される第27回北海道情報・印刷文化典(旧名称、印刷業者大会)へのイメージづくりばかりである。挨拶する人の数、時間、間のとり方、参加者の反応、役員・スタッフの動き、私がメモするのは式典や懇親会の中身より運営のかたちの方ばかりだった。
 基調講演は作家の早坂暁氏。吉永小百合の「夢千代日記」でお馴染みの作家で、四国88か所のお遍路さんの話、隣町・善通寺が生んだ空海さんと、その遣唐船の話。ドイツより300年早く印刷技術をものにした宋の国との貿易から仏典などの印刷物がはいり、漢字が輸入され、文字文化が爆発的に広がったこと。そしてデジタルとアナログ、それぞれの特長を味わいある比較の仕方でしめくくった。笑わせたり、底の浅い経営談義だったりでない、心にしみる、楽しい講演であった。
 翌日の分科会は環境委員会の六つあるテーブルのうちの一つのまとめ役を仰せつかったが、各地の環境問題の取り組みに温度差はあるものの、地球上に住む仲間としての印刷人の優しさ、努力ぶりが伝わってくるのを感じた。
 来年の旭川の文化典について旭川支部ではどんな内容でいくかいろんな角度から検討している。長年定着してきている行事だから特別変わったことは出来ないが、17年ぶりの旭川大会をひと味違ったもの、身の丈にあった、しかし、内容の豊かな大会にしたいと願っている。
 なによりも関連業の皆さんと共通の利益を得るために、生活の中に根づいた印刷の文化のようすを市民に理解してもらうこと、情報産業としての印刷の進化のようすをお客様に知ってもらうこと、そして業界組織の団結のようすを行政・団体等の皆さんに認知してもらうこと、そんなことを心がけて楽しくやっていきたいと思っている。

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