印刷燦燦

「文化の違い」

理事・青年部委員長 加藤  景
幡本印刷株式会社代表取締役社長

 5月9日から16日までDRUPA2004に参加してきました。以前から印刷発祥の地ドイツには一度は行ってみたいと思っていましたし、4年に一度の世界大会という事で視察を決断しました。
 DRUPA視察の報告については、各々でお話を聞かれてると思いますのであえてここでは触れず、それ以外について感じた事を披露させて頂きたいと思います。
 会場に着くまで色々な事があり、パリで乗り継ぎのシャルルドゴール空港では爆発物らしきものが見つかった?との事で警察官が押し寄せ空港内が一次混雑しました。現地の添乗員によると、「よくある話ですよ。」とぼそっとつぶやいていました。日本ではあまり…。というかありえない話なのでは?と感じました。ドイツのデュッセルドルフ空港に到着。空港内の建物、構造物がとてもかっこよく、シンプルでかつモダンな印象を受けました。街中の信号機や、車、看板等も同じ印象でした。ドイツ人の1日の生活パターンを伺ってみると、9時から仕事始め、12時頃から2時間ぐらいかけての食事(当然麦酒も)16時ぐらいからカフェ。喫茶店でコーヒーや甘いケーキと会話を楽しみ、17時ぐらいには帰宅。残業は当然なく皆家に帰り、家族と会話や食事。また夜9時ぐらいまで明るいのでガーデニングや趣味の時間にあてているとの事でした。一体、実労働時間は何時間なの?日本とは雲泥の差を感じました。初めての人に挨拶する際も日本では○○会社の○○です。といった形が普通ですが、私は○○です。こんな仕事、こんな事が出来、○○という会社に勤めております。という日本とは逆の形がほとんどの様です。食事の方は一品一品とても美味しいのですが、ボリュームが多くて一品でおなかが一杯になります。日本での「盛り合わせ」を注文し皆でつつきあうという習慣がなく、「盛り合わせ」を頼むと一人で全部たいらげなくてはなりませんでした。とあるレストランでは70歳くらいの白髪のおばあちゃんが「豚の脚」を一人で1本食べながら、麦酒を水のようにガブガブと飲み、そしてベラベラと大きな声で会話を楽しんでいました。確か日本では食事の時には話をしないで、TVも見ないで食べなさい!と教わった事を思い出しました。
 日本から12時間も飛行機で離れるとここまで違うものか…。そして自己主張型狩猟民族のパワーを感じました。移動距離に関しては100キロ200キロは当たり前で、じゃつぎ行こう!といったノリでアウトバーンを1600CCの車(オペル)で時速200キロオーバーでで暴走。その横をポルシェが飛行機の様に追い抜いていく……。
 人・挨拶・規則・建物・食事・マナー等、まったく日本とは文化が違う。私にとっては価値のある体験となりました。
 実は私の弟が音楽でドイツへ留学し5年になります。帰国の前に弟に話しました。「お前はもう日本には戻れないよ。」すると弟は「俺もそう思うよ。」両者合意のもと、私は帰国しました。