1.事業承継税制の拡充
(改正の概要)
事業承継時の自社株に対する相続税課税価格の10%軽減措置について、現在「3億円または発行済株式総数の2/3まで」とされている軽減対象上限を「10億円または発行済株式総数2/3まで」に引き上げる。
2.相続株式を自社に売却した相続人株主の課税の特例
(改正の概要)
事業承継時において、非上場株式の相続人が相続後一定期間内に、相続した非上場株式を会社に譲渡した場合、みなし配当課税とせず、譲渡益課税とする。
3.非上場株式に関する譲渡益課税の税率軽減
(改正の概要)
非上場株式の譲渡益に係る税率を26%から20%に軽減する。
4.欠損金に係る制度の見直し(繰越期間の延長)
(改正の概要)
・全法人について、繰越期間を5年から7年に延長する。
・延長の対象は、新規発生の欠損金だけでなく平成13年度以後に発生した既存欠損金についても適用。
※なお、欠損金の繰越期間の延長に伴い、帳簿書類の保存期間を一律7年、欠損金額にかかる更正の期間制限(現行5年)を7年に延長するとともに、脱税以外の場合の過少申告に係る更正の期間制限(現行3年)を5年に延長。
5.中小企業投資促進税制の延長
(改正の内容)
適用期間を2年間延長(適用期限:平成17年度末まで)
(制度の概要)
中小企業者の取得する機械・装置等について特別償却(初年度30%)または税額控除(7%)
※7%税額控除は資本金3千万円以下の法人のみ。(リースの場合はリース費用総額の60%が税額控除の対象)
〔延長後の対象設備〕
・全ての機械・装置(取得価額160万円以上、リースの場合210万円以上)
・電子計算機、デジタルファクシミリ等の特定の器具・備品9種類(取得価額120万円以上、リースの場合160万円以上)
6.エンジェル税制の拡充
(改正の概要)
7.青色申告特別控除の拡充
(青色申告特別控除制度の概要)
・青色申告特別控除は、記帳水準の向上を趣旨としたもので、平成5年に創設。
・主に事業所得者又は不動産所得者を対象として、記帳水準に応じて所得控除を認めるもの。
(改正の内容)
・青色申告事業者の納税負担に鑑み、正規の簿記の原則に従い記録している事業者について、現行55万円の控除額を、65万円(=給与所得控除額の下限)に引き上げる。
・なお、簡易な簿記の方法により記録している事業者に係る経過措置(控除額45万円)は廃止。
・いずれの措置も、平成17年分以後の所得税及び平成18年分以後の個人住民税について適用。
8.その他の中小企業関連租税特別措置
◆中小企業技術基盤強化税制における試験研究費の適用範囲の明確化
限られた人的資源の中で、他の業務と兼務しながら研究開発に取り組まざるを得ない中小企業の実態を踏まえ、中小企業技術基盤強化税制における試験研究費のうち人件費の適用範囲を明確化。
◆中小・ベンチャー企業の欠損金にかかる特例措置の適用期限の延長
創業5年以内の中小企業及び中小企業経営革新支援法の承認事業者について欠損金の1年間の繰戻還付を認める措置の適用期限を2年間延長する。
◆特定の同族会社の留保金課税に係る課税停止措置の適用期限の延長
創業10年以内の中小企業、新事業創出促進法認定企業、試験研究費及び開発費が3%を超える中小企業に係る留保金課税の停止措置の適用期限を2年間延長する。
(なお、自己資本比率50%以下の中小企業を対象とした課税停止措置は平成17年度末まで)
◆商業施設等の特別償却制度(中心市街地活性化法関連)の適用期限の延長
中心市街地活性化法に基づいて各市町村において作成される基本計画に基づき、当該中心市街地において商店街振興組合等(一部対象事業者を見直し)が整備する店舗、駐車場、アーケードなどの商業施設等の特別償却制度(8%又は12%)について、適用期限を2年間延長する。
◆中小企業者の火災共済協同組合等の異常危険準備金制度の適用期限の延長
火災共済協同組合等が積み立てた異常危険準備金について、正味収入共済掛金の5%以下(通常2.5%)までの金額について損金算入を認める特例措置の適用期限を3年間延長する。
9.その他の関連税制
(1) 確定拠出年金の拠出限度額の引上げ等
【改正の内容】
○確定拠出年金の拠出現度額の引上げ
○少額資産者の中途引出しを容認
(i) 累計拠出額(金利含む)50万円以下であれば、加入期間を問わず個人型に移換したうえで中途引出を認める。
(ii) 累計拠出額(金利含む)1.5万円以下であれば、個人型に移換せずに中途引出を認める。
○特別法人税の凍結継続
(2) 固定資産税の負担水準の引下げ
【改正の内容】
○ 商業地等に係る固定資産税について、負担水準の上限が法定された70%の場合に算定される税額から、地方公共団体の条例の定めるところにより、負担水準60%から70%の範囲内で条例で定める負担水準により算定される税額まで、一律に減額することができる措置を講ずる。なお、都市計画税についても同様の措置を講ずる。
※詳細については最寄りの税務署へお問い合わせください。
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