講師の平岡芳朗氏は、札幌市内の印刷会社に20年間勤務された後、その経験を活かされ、工場工程管理データベース・社内ネットワーク環境・デジタル組版(Windows DTP)システム等々を構築し、その後有限会社スマイルフェイスを設立されました。
同社は、アドビシステムズ(株)のAdobe Acrobat5.0製品CD−ROMにJava Script技術サンプルとして国内企業として唯一収録されている会社です。
講演は、PCの日常の活用法、ネットワークの活用方法から始まり、何故PCを活用しなくてはいけないか、そして一般企業と印刷業のPC活用目的の違いを分かり易く説明されました。
また、IT化への道として、まず「目的を明確に」し「得るべき効果(目標)の明示」「導入計画」「実施」「評価」といったステップで進めていくことが重要であり、全ては情報化からということで、とかく印刷業で見られがちなアナログ的ブラックボックスを作らず、特に経営・営業・生産部門等の情報の共有化が今後必要であるということを力説されていました。
さらに、IT化への選択肢として完全に外部に任せしてしまう方法や、自前ITといって社員の方が以外にITに詳しく興味があり、その結果として自然に社内IT化が出来上がっていたなどという事例も披露いただきました。
結びとして、PCやネットワーク導入コスト、PC導入、ネットワーク化の一例と、これからの技術という事でエンドユーザーがPCを活用しデータ入稿が増えて来るにしたがって、日常の仕事の中でデータトラブルが多くなることを解消するため、基準を作り、どこで使用されようが同じ結果であることを目的としたPDFXの構築や全ての情報や工程、進捗状況を好きなときに誰もがいつでも確認することが可能なシステムJDFについての解説が行われました。
今後急成長するのではという期待を持つ印刷業として、非常に参考となり、情勢の変化を的確に掴み、柔軟に対応し新しい印刷産業のあり方、顧客に対しどの様なお役立ちサービスが出来るのかを企業の生き残り戦略と合わせ今後を模索するのに大変有意義なフォーラムでありました。