新春経営者研修会・下期北海道地区印刷協議会開催
全印工連中村会長が講演 |
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新春経営者研修会・平成15年度下期北海道地区印刷協議会が、1月9日午後3時10分から札幌市中央区の札幌グランドホテルで、全日本印刷工業組合連合会の中村守利会長を講師に迎え、「印刷業界の現況と将来展望について」をテーマに80余名が出席して開催された。 | ||
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中村会長は、各種統計に基づいて業界の現況を分析したあと、印刷会社がとるべき対応策を、次のように説明した。
(1)需要減少、価格破壊がいま、業界の最大の問題となっている。企業の対応策として、同質化競争から差異化競争への転換をはかる必要がある。各社ごとに得意技をもって特化していけば、価格競争からの脱却も可能となるはずだ。 (2)これまでの横並び思想では、同業者の動向しか見ていなかった。観点が客のニーズに向いていなかったため、提案営業もソリューションビジネスもできなかった。これからは顧客フォーカスにより、差異化戦略を強め、自社だけのサービスを展開することが大切になる。 (3)e‐Japan戦略が第二期(活用期)を迎え、また、民間企業のIT化もオンライン化を中心に、一段と促進される。そうした中で、電子ファイルをつくるのは印刷業界のドメイン(事業領域)であることを、主張しなければならない。 (4)デジタルデータを二次加工して、印刷物あるいはwebに落とす。その流れをどうするかは、印刷会社が自由裁量をできる範疇にある。印刷物を電子メディアに置き替えるアーカイブ事業にも取り組める。 (5)大店舗法の廃止により、新たな流通革命が起こることが予測される。一箇所のお店ですべての用が足りるワンストップショッピングが当たり前となる。 (6)印刷会社も企画、広告、宣伝、販促といった幅広い支援を視野に入れた、トータルな取り組みが要請される。地元商店の売り上げ増進を支援することで、需要の掘り起こしが可能となる。 (7)顧客のニーズは多様化し個性化している。ワントゥワン・マーケティングが浸透し、対象を絞った提案営業がますます重要となってくる。顧客の向こう側にいる最終顧客のことを考えながら、対応していかなくてはならない。 (8)経営ソフトのインフラとして、共創ネットワークを構築してほしい。特化すればするほど、そこに経営資源を集中させなければならないので、他の部門に弱みが出てくる。企業同士がコラボレーションすることで、その弱みを補い合える。同業者は決してライバルではなく、いまや第二の顧客となった。 (9)大和心を磨き出し、全体と個の調和をはかってほしい。個性を尊重しながらも、全体の調和をはかることは、日本人の基本精神であったはず。原点に回帰することで、難局を切り抜けていきたい。 |