印刷産業「不況業種」指定3ヵ月間
延長される
−10月1日から12月31日まで−

 全日本印刷工業組合連合会では、長引く景気低迷による需要減少や価格下落、また金融機関の貸し渋りへの対応として、中小企業信用保険法にもとづく「不況業種」指定を7月1日から9月31日までの3カ月間受けていたが、この度(社)日本印刷産業連合会を窓口として、経済産業省に延長の申請を行い、9月19日付で「不況業種」指定の延長が決まった。
 この延長による指定期間は平成15年10月1日から12月31日までの3ヵ月間で、今回からは日印産連が申請団体となり、これまでの「印刷業」に加え「製版業」「製本業」「印刷物加工業」を含んだ印刷産業界全体の申請を行った。
【不況業種指定とは】
 今回、指定延長となった不況業種は、中小企業信用保険法第2条第3項第5号の規定にもとづくもので、需要の著しい減少により、当該事業を行う中小企業者の相当部分の事業活動に著しい支障が生じている業種について、国がその経営の安定に支障が生じているとして認定し業種を指定するものです。今回の延長による期間は平成15年10月1日から12月31日までの3ヵ月となっています。
【信用保険の限度額が拡大】
 中小企業信用保険法は、資本金3億円以下、または従業員300人以下(いずれか一方が該当すればよい)の中小企業者の債務保証について保険を行う制度で、中小企業者が事業資金を金融機関から借り入れる際に、信用保証協会がその借り入れ債務を保証することにより、担保や信用力が不足している中小企業者に対する事業資金の円滑化を図るものです。
 今回、この不況業種指定を受けたことにより、これから信用保証協会の保証付き融資を受ける場合、中小印刷業者が一定の要件を満たしていることを区市町村長から認定を受けなくてはなりません。そして、その後、信用保険の一般の保険限度額に加えて、別枠の保険限度額を活用できることになり、結果として信用保険の倍額利用が可能になります。(その他、特別措置として、填補率の引上げ、保険料率の引下げがあります)
(一般保険限度額)
(別枠保険限度額)
・普通保険
2億円
2億円
・無担保保険
8,000万円
8,000万円
・特別小口保険
1,250万円
1,250万円
【個別に認定が必要】
 印刷業を営む中小企業者であって、かつ、経営の安定に支障を生じていると区市町村長より認定を受ける場合、次の認定要件を満たしていることが必要になります。
〈認 定 要 件〉:最近3カ月間の月平均売上高が、前年同期の月平均売上高に比べ5%以上減少していること。
〈申請書様式〉:中小企業信用保険法第2条第3項第5号(不況業種)の規定による認定申請書
【保証を受ける手続き】
保証申し込み−借り入れ希望の金融機関、または信用保証協会に直接申し込む2つの方法があり、いずれかの窓口に認定書を添えて信用保証委託申込書を提出します。(事業計画、資金使途、返済能力などを総合的に判断して、保証の可否が決定されます。無条件で別枠限度額までの保証が受けられるものではありません)
融資実行−保証を引き受ける通知(信用保証書)にもとづいて、金融機関から融資が実行されます。この時保証料の負担が必要になります。
返済−融資条件にもとづいて借入金を金融機関に返済します。
【問い合わせ・相談】
 都道府県、区市町村の金融担当課(商工課か中小企業課)、各都道府県の信用保証協会窓口まで。