ファミリー・フレンドリー企業
をめざして

 北海道印刷工業組合は、平成13年度から2年間、北海道労働局長(厚生労働省)の認定を受け、「ファミリー・フレンドリー企業」の普及促進を目的に、『育児・介護雇用環境整備事業』を実施しています。
 少子・高齢化の進展の中で、労働者の仕事と家庭とを両立できる環境整備は極めて重要な課題であります。そのため、事業主において、育児・介護等家庭的責任を有する男女労働者が職業生活と家庭生活とのバランスを取りながら働けるように配慮した雇用管理が行われることが必要であります。仕事と家庭とが両立できるさまざまな制度を持ち、家庭的責任に配慮した雇用管理を行う「ファミリー・フレンドリー企業」を目指す必要があります。

育児・介護休業制度導入先進企業 (株)阿部蒲鉾店を訪問
 2月4日、両立支援検討委員5人が、育児・介護休業制度導入の先進企業である宮城県仙台市の(株)阿部蒲鉾店を訪問した。
 (株)阿部蒲鉾店は、業種は水産練製品(かまぼこ)製造販売業で、従業員は325人でうちパート従業員が131人となっている。
 同社の育児・介護休業の取り組みの状況は次のとおり。

〔育児・介護休業への取り組み状況及び雇用環境〕
1.社内規則整備の変遷
 昭和10年代 家族のみの営業
 昭和20年代 県外からの季節労働者増
 昭和30年代 住み込み従業員とし、家族同様の扱いをする。
 昭和40年代 市内学卒者定期採用を開始
         それに伴い、就業規則制定、社員寮完備
 昭和46年  就業規則に育児短時間勤務制を盛り込む
 昭和56年  パートタイム就業規則制定
 昭和63年  定年を55歳から60歳に改正
 平成4年   月休日6日制から8日制に改正
 平成5年   あべかまユニオン労組結成
 平成6年   育児・介護休業制度導入
 平成9年   職能賃金制度導入

2.育児・介護休業の状況
 (1)育児休業
  ・休業期間は満1歳まで
  ・過去5年間で16人利用、その内14人が職場復帰
  ・休業期間中は、賃金の30%を支給
  ・短時間勤務、時差勤務制度
    平成7年までの出産者は殆どが利用したが、以後は休業利用が多くなった。
 (2)介護休業
  ・休業期間は6ヵ月
  ・対象者は、配偶者・父母・子・祖父母・兄弟・同居扶養する孫
  ・過去5年間で2人利用
  ・休業期間中は無給
  ・介護のための短時間勤務
    始業、就業時刻の繰上げ、繰下げ2時間以内
 (3)育児・介護休業制度利用者への支援
  ・研修会、勉強会、講演会、各種資格試験の案内及びその勉強会の案内、
   社内報送付、店舗ミーティングなどの案内
  ・復帰には勤務場所、転勤など不利にならない配慮
  ・休業利用者が出た場合の補充は他店(職場)からの応援、アルバイト採用で対応
 (4)再雇用
  ・妊娠、出産、育児、介護が理由の退職者を優先採用
   条件は、勤続3年以上で、45歳まで

3.パートタイム労働者の扱い
 (1)パートタイム就業規則
  ・介護休業規定、育児休業規定、再雇用規定は社員規定に準じるが無給
  ・賃金規定 昇給は2年に一度、他に査定分昇給
  ・賞与規定 6ヵ月以上勤務から支給
   規定額、考課査定、ポイント加給
  ・退職金規定 3年以上勤務者に支給
  ・年次有給休暇規定 週30時間以上勤務で、勤続6ヵ月で10日〜
  ・慶弔休暇・見舞金規定
  ・昇格規定 パートタイムを3タイプに分類
  ・社員登用規定
  ・定期健康診断規定
 (2)パートタイマー雇用契約
  ・契約期間は1年
  ・契約更新日は毎年4月1日 2月〜3月に全員と面談し更新・非更新を決定
4.教育訓練
 (1)入社時研修 1週間
 (2)階層ごとの研修 パート研修、主任研修、係長研修
 (3)職場研修 店舗グループ、生産グループ
 (4)集合研修 年2回程度、外部講師を招聘
 (5)昇格者研修 中小企業大学校、職業訓練センターなどを利用
 (6)パソコン研修
5.要望受け入れの仕組み
 (1)店長会 月1回
 (2)労使協議会 月1回
 (3)職場アンケート 年1回
 (4)セクハラ防止相談 総務と組合に窓口
 (5)職場環境 安全委員会において職場定期巡回