各支部で用紙値上げに対応
第3回理事会開催
 平成14年度第3回理事会・全印工連下期北海道地区印刷協議会が、1月10日午後2時から札幌市中央区の札幌グランドホテルで全道から理事36人、監事1人と全印工連から磯野専務理事が出席して開催された。

 理事会は、岸理事長が新年のあいさつを述べた後、定数報告が行われ、理事長を議長に議事に入った。
 先ず、経過報告が行われ、(1)事業実施報告として、北印工組の事業、日印産連・全印工連の事業、中央会等の関連団体の事業に大別して本年度の事業実施概要が説明された。
 (2)財務状況報告として、9月末の中間決算の状況について説明が行われ、これに対する会計監査が11月8日に大沢・中北両監事によって実施され、中北監事から会計処理・内容は適切である旨の監査報告が行われた。
 (3)平成14年度各種表彰者として、札幌市産業経済功労者表彰1名、全日本印刷工業組合連合会組合功労者顕彰3名、同優良従業員表彰2名、第26回北海道印刷業者大会永年勤続優良従業員表彰119名の方々がそれぞれ栄えある表彰を受けたことが報告された。
 次に議事に移り、(1)用紙価格については、昨年7月下旬からの製紙メーカー各社の値上げ発表があってからの全印工連・日印産連の値上げ反対への対応、北印工組として北海道洋紙代理店会・北海道洋紙同業会に対して柔軟な対応のお願いをしたことが説明された。
 また、旭川支部と十勝支部の用紙価格に対する取り組みの状況が報告された。
 旭川支部は、各地末端組織あるいは個々の印刷人がそれぞれの取り組みをして行くことが大きな成果につながるとの思いから、地域業界の立場で対応しており、その経緯と成果について則末支部長から報告が行われた。
 旭川支部では、地元の旭川洋紙同業会への要望アンケート、懇談、質問状提出、回答内容の検討を経て、「白紙撤回」の要請文を送った。これについて「旭川支部の組合員企業へ用紙値上げの通告が行われ、各社は他社、道内、全国が受け入れるならというかたちで同意せざるを得なかった。しかし、実態を調査すると全道にわたって均一には値上げされていない感触であったので、一部地域である旭川での値上げは性急と判断し、組合員企業との値上げ合意は業界の緊急避難として白紙に戻すことをお願いした。」と説明が行われた。
 また、得意先に向けた「印刷物発注に関してのお願い状」を作成し、ユーザーに用紙値上げの理解をお願いするとともに今後さらに第二弾、第三弾の値上げが予想されることから、長期的視点による今後の対応策を次のように決め実行している。
・旭川洋紙同業会は地元の大切な関連業者であって、私どもの交渉相手は間接的ながらも代理店であり、メーカーであるという認識の確認をする。
・「用紙値上げは容易にはいかない」との緊張感をともに持ち「今後の値上げ」をしずらいものにする努力をする。
・「北海道価格」解消キャンペーンを旭川洋紙同業会と顧客双方に向け息長く続ける。
・組合員が在庫している特殊用紙について情報を交換する「印刷用紙フリーマーケット」を開設し、各社の在庫品の有効活用を図る。
・印刷会社の経営環境を整える自助努力を我々自身がするのだという認識を高める。


旭川支部の北海道価格解消キャンペーンシール

 十勝支部は、地元組合員に業界のうごきを知らせており、その経緯について角支部長から「十勝支部組合員に、各企業が個別に対応できるよう、これまでの経過がわかる資料を渡し、漏れなく情報を伝えた。情報提供は、どうすべきかを判断するための材料として役立ててもらえるので重要である」と説明が行われた。
 最後に岸理事長が、「製紙メーカーが用紙の種類を作り分けるようになれば事実上、寡占状態になる。代理店が選別、統合され、卸商の整理も進んでくる。流通は印刷会社に対し個々に動いているのが実態であり、各社における粘り強い対応をお願いし、顧客に対しても十分に説明してほしい」と強調し、用紙価格の問題についての説明を終了した。
 (2)平成14年度第4四半期事業スケジュールについては、組織の拡大、広報活動の強化、明日に向かって「魅力ある業界づくり運動」の展開、共済事業への参加促進、財政状況の検討についての第4四半期事業スケジュールが説明され了承された。
 組織の拡大では、第8回北海道青年印刷人フォーラムを1月24日に札幌で開催、明日に向かって「魅力ある業界づくり運動」の展開では、2005計画デジタル積算体系セミナーを1月29日に札幌で開催、マルチメディアデータ活用研修会を2月下旬に札幌で開催することが説明された。
 共済事業への加入促進では、3月まで加入促進の拡大キャンペーンを実施することが説明された。
 財政状況の検討について、財政委員会において中間答申が行われたことを受け、岡部財政委員長から中間答申の内容についての説明が行われた。
 (3)新規加入組合員・脱退組合員の承認については、新規加入組合員として、株式会社札幌光陽社(札幌支部)、北海道製版株式会社(同)、有限会社田中耕三デザイン事務所(十勝支部)の3社、脱退組合員として、太洋堂株式会社(小樽支部)、永井製本株式会社(札幌支部)、株式会社アイノグラフィックス(同)、ホクシン印刷株式会社(同)の4社をそれぞれ承認した。
 この時点での組合員数は363社となった。
 以上で議事を終了し、理事会を閉会した。
 つづいて、全印工連下期北海道地区印刷協議会に移り、全印工連の磯野専務理事から、(1)印刷業界の現況について、(2)印刷用紙の値上がり問題について、(3)業界秩序再構築対策について、(4)官公需対策についての説明が行われた。