印刷燦燦
『道の駅』

常任理事・苫小牧支部長
高橋 正寛
あさひ印刷株式会社代表取締役社長

 昨年春より女房と二人で道の駅巡りを始めた。ドライブの途中立ち寄った道の駅で、スタンプラリーを楽しむ家族連れを見かけたのがきっかけである。以来、年に数度道の駅マップとスタンプ帳、カメラを手に北海道の大自然を満喫している。
 道の駅巡りを始めてまず驚いた事は、スタンプラリーを楽しむ愛好者の多いことである。友達同士、若い家族連れ、そして熟年夫婦と老若男女を問わずスタンプ台の前は順番待ちとなる。現在全国の道の駅数は649駅、内北海道は70駅で設置数では全国第1位。次いで岐阜県の33駅であるから、他県に比べ道内の駅数が極端に突出している。道の駅設置目的は、道路交通の円滑な流れと地域活性化にあり、国が整備する駐車場・トイレ等と市町村が整備する地域振興施設等の構成で成立っている。実際に道の駅巡りを始めて感じる事は、やはりその数の多さ。北海道は広大で自動車での交通手段が不可欠と思われる故駅数の多い事も理解できるが、地域によっては重なり合う様に道の駅が存在する場所がある。国土交通省は、道の駅相互の機能分担の観点より適切な位置に配置としているが、更なる道の駅建設計画を含め各駅の共存と十分な地域振興が叶う様行政の指導を期待したい。
 私の道の駅巡りは、今夏でやっと35駅を越えた。道の駅が主催するスタンプラリーは、1年間で70駅全駅走破を目的とするものだが、私の行動実態では到底困難。ゆっくりのんびりと楽しみながら全駅走破ができればと考えている。又、迎えてくれる道の駅もその形態は様々である。駐車場・トイレだけの駅から地域の観光情報・特産品の販売を提供する駅。駅弁・手打ちそば処、温泉からホテル併用と個性を重視した駅。各市町村の地域活性に向けた取組みが、巡る駅毎に感じられる。
 それまでの私の休日はゴロ寝かパソコン、そしてゴルフ。道の駅巡りを言い出したのは女房であるが、今ではドライブのルート選定から宿の手配迄私の役割。道の駅を巡る旅は50年間観光地しか知らぬ私に、新しい感動を覚える大自然の姿を見せつけている。
 車中での会話に付合い、地元の美味に舌を打つ。私自身は年に数度最高級の女房孝行と自賛しているが、其の実うまく女房の術中にはまっているのかも知れない。