理事会のあいさつで、中村会長は、ブロードバンドとウォールマートと西友との合併にふれ、「IT革命と流通革命の2つを見失わないようにしなければならない。技術は追いつくことができるが、マーケットには追いつくことができない。ウォールマートの合併は、銀行や自動車業界の合併とは異なる。その影響は今から2〜3年後に確実に出るだろう。マーケットが変わり通信が変わる。そのためにも課題としている2005計画を今こそ推進しないと手遅れになる」と指摘した。
さらにe‐Japan、マーケティング、デジタル積算の3冊の啓蒙テキストにふれ、「この3冊は、ブロードバンドとマーケットの2つの流れに対応する防御策である。これをもとに新年度は講習会を展開する。今までの講習会はただ聞くだけであったが、これからは講習会後に講師を外し、受講者をもう一度集めて、お互いの経営をどう考えるかを議論し合い、学んだことをコミュニケーションしてほしい」と述べた。
理事会では、平成14年度の活動方針として2000年にスタートした2005計画について実際にどの程度事業展開が進んでいるのかを調べるため進捗状況調査を実施するのをはじめ知的所有権の研究、自治体などの環境規制強化の動向調査、都道府県別の業界構造の分析などに取り組むことなどを決定した。
運営機構については、特別委員会である2005計画推進委員会を「2005計画特別委員会」として計画推進のシンクタンクとして研究・企画を担当することとした。
常設委員会では、経営革新委員会のデジタル積算研究部会と労務・環境委員会の労働条件制度整備推進委員会を廃止することとした。
また、平成14年度事業計画大綱を次のとおり決定した。
◇2005計画の推進=(1)推進のための企画・研究(計画推進状況調査の実施、海外情報の収集など)(2)共創ネットワーク・グループ化支援事業の推進(3)組合支援事業の推進(e‐Japanが変える印刷需要セミナーの開催支援など)(4)アドバイザー紹介システムの拡大など
◇経営革新対策の推進=(1)2005計画・経営革新対策の推進(経営革新セミナー、デジタル積算体系セミナーの開催支援)(2)資機材対策の推進(用紙市況、副資材などの情報収集)(3)官公需対策の研究(各地の対策、電子入札に関する情報収集)(4)動向調査の実施(印刷業経営動向実態調査、用紙価格動向調査の実施)
◇マーケティング対策の推進=(1)2005計画・マーケティング対策の推進(情報産業をめざす印刷マーケティングセミナー、IT時代の戦略的営業マン養成講座の開催支援)(2)市場情報を中心とする情報の収集
◇教育・技術対策の推進=(1)2005計画・人材教育技術対策の推進(e‐Japanに対応するXMLセミナー、顧客の変化に対応するXMLエンジニアのための基礎技術講座の開催支援、社員研修支援情報の提供など)(2)制度教育事業の実施
◇労務・環境対策の推進=(1)2005計画・労務環境対策の推進(新雇用システムの情報収集、ISO14000シリーズ取得支援情報の収集)(2)労働関係法令の研究(3)環境改善関係法令の研究(グリーン購入への対応)など
◇組織・情報対策の推進=(1)2005計画・組織情報対策の推進(ホームページの運営)(2)組織強化対策の推進(3)政治的課題の研究(4)関係法令への対応、中小助成制度の周知など
◇共済事業の推進=(1)全印工連共済センター業務の受託(2)各種共済事業の推進、拡大キャンペーンの展開(3)新制度導入、保険代理店資格取得の研究(4)経退功共済制度の見直し