年頭あいさつ

年頭のご挨拶

全日本印刷工業組合連合会
会 長 中村 守利

 新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は、当会の運営につきまして格別のご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年は新世紀という歴史的な節目を迎え、大いなる発展への夢と期待を以てスタートした21世紀初年ではありましたが、デフレスパイラルの続く日本経済は、年初より月を追うごとに不況色を深め、米国におけるITバブルの崩壊に続く9月の同時多発テロ事件が加わって、グローバル化のすすむ世界経済全体へと深刻な影響を及ぼし、景気は一段と悪化したまま越年するという誠に厳しい1年でありました。
 総需要の減退と価格破壊の続く産業界においては、なお過剰な供給力とコストの削減を迫られ、雇用調整や企業の統廃合、さらにはIT革命による情報化の進展によって、生産・流通の分野を問わず、産業構造は大きな変革を遂げつつあります。
 全ての産業界をお得意様とする印刷業界にとりましては、一刻も早い経済の好転、景気の回復が何よりも待たれるところですが、国は不良債権処理、構造改革、財政再建という難題を抱え、今後2年間はゼロ成長との見通しを発表しており、世界経済の牽引役を果たしてきた米国経済の低迷と相俟って、本年もなお厳しい状況が続くものと思われます。
 一方、変化の兆しも確実に見え始めてきており、特に情報化社会の基盤となるITの飛躍的な進展は、インターネットの普及とともに、市場を変え、電子商取引やホームショッピングなど日常の企業活動や個人のライフスタイルを変えつつあり、さらには電子政府化、電子自治体化への本格的な取組みなどによって新たなビジネスを創出しようとしています。
 現在、様々な分野で改革・革新への挑戦が進められ、企業は生き残りをかけた路線の選択など新たな時代を迎えるための産みの苦しみが続くでしょうが、変革期にある今こそ変化をいち早く読みとり時代の流れを掴む的確な判断が必要となってきています。
 こうした中、全印工連では昨年スタートさせた「2005計画」の推進に全力を挙げて取り組むとともに、組合員企業は改めて自社の経営計画を再構築し、強みを提供し弱みを補完し合う「共創ネットワーク」を通じて差異化戦略による経営バリューの創造を期することが何より肝要と申せましょう。
 本年もなお厳しい環境下ではありますが、新たな時代に対応するしっかりとした基盤づくりに邁進し、企業と業界の勝ち残りを念願する次第です。
 皆様のご健勝と企業のご繁栄、そして中小印刷業界の発展を祈念申し上げ新年のご挨拶といたします。