室蘭支部が熱烈応援 モンゴルへの印刷機支援と技術指導プロジェクト 理事・室蘭支部副支部長 寄木 清二(株式会社不二プリント印刷所代表取締役社長) モンゴル国の現地を視察する機会がありました。モンゴルの印刷業の状況は、日本の20年程前の感じで、たまたま数人の若者(銀行員や医者、看護婦など)が、印刷の企業を興したいという希望を持っており、いろいろ話を聞く中で、第1陣として印刷機械の部品を送ったところ、向こうの熱意が伝わってきましたので、道内の印刷関係者に支援の発信をしました。 その結果、賛同者が意外に集まり、さらには企業を興せる程の印刷機器を多数そろえる事が出来ました。それで第2陣として製版機器、印刷機、製本機器、搬送車両などをコンテナに入れ、室蘭から1ヵ月かけウランバートルまで送りました。その後、機械メーカー、機械商社、印刷技術者などで現地に出向き、企業化するため、操作方法や技術指導などの支援を8日間行いました。 また、2000年の5月と、9月に再度出向き、経営管理や自立プログラム、品質管理などの指導をも行いました。計画から現在まで約3年余を経過し、ハード面 ばかりではなく、ソフト面の支援も非常に重要であり、共に汗をかこうと思っております。印刷技術の支援は現地の情報メディアの発展に役立ち、民主化の基礎となりますし、雇用の創設や自由市場経済で必要不可欠である正確なコミュニケーションの媒体の一助となればと考えています。現地での印刷就業者は当初の4人から現在は10人に増え、順調に操業中で頑張っている旨のFAXが昨日届いて安心したところです。 地元モンゴル市民による、市民のための印刷業を目指した熱気が伝って来ます。こういう時代だからこそ、印刷業を営む者として出来得るお手伝い、もちろん印刷工業組合室蘭支部の組合員の皆さんからの物心両面 の応援、また、各種関係者の熱い支援でこのプロジェクトが成功するよう、辻支部長をはじめとする室蘭支部は、今後も応援していこうと思っています。 モンゴルの事情を若干ご説明しますと、外モンゴルは1911年満州国の支配を離れ、共産主義思想を受け入れて1921年に旧ソビエト連邦の16番目の共和国として独立し、1990年11月にスターリン像が国立図書館前から取り去られる事件に始まるロシア離れによって、1996年には社会民主連立同盟が新政権として選出されました。2000年には、また新しい政権が組閣されています。 外モンゴルの省都ウランバートルはめまぐるしい変化の中、現在は急速な市場経済化推進の真只中で、人口80万強の市民は何千年もの間この地に受け継がれてきた豊かな伝統をも同時に抱擁できる器をもっています。生肉を積んだ荷馬車が町なかを通 り過ぎて行くのを不自然さを感じることなく見ることができます。家畜が政府公舎裏の緑地に立ち寄っていきます。まだモンゴルウォッカ(アルヒ)が支払いの代価として用を成す土地柄です。昨年、そして今年も雪害(ゾド)という大寒波に見舞われ200万頭以上の羊が失われています。 毎年2万人ほどの観光客が日本の4倍の面積のモンゴルを訪れ、このユニークな土地と人柄、そして人々の自由への熱い憧憬に触れていきます。今日、総人口約240万人のモンゴル人と3,000万頭以上におよぶ家畜達はモンゴルが生き残ってきたことを誇りに思っていて、そして「アイラグ」(馬乳酒)をもって皆さんを心から歓迎することでしょう。 北印工組の各支部の皆さん、モンゴル旅行の計画の際には、友人知人が沢山出来ましたので、現地通 訳や空港出迎え、観光ガイドの手配など必要ならば、ご一報下さい。応援いたします。 |